公開日 2018/11/14 17:11
キモは「YouTube Music Premium」
月額1,180円の価値はある? 「YouTube Premium」ファーストインプレッション
編集部:風間雄介
YouTubeをヘビーに利用している方々にとって待望のリリースとなったのが、本日サービス提供開始された「YouTube Premium」だ。
概要はニュース記事でお伝えした通りだが、月額料金1,180円で、広告無しの動画再生、オフライン再生、バックグラウンド再生などをYouTube全体で利用できる。さらに、人気スターのオリジナル作品や映画も楽しめる。
■「広告なし」だけで1,180円というわけではない
この「月額料金1,180円」という価格設定に対して、当サイトのTwitterなどで「広告無しだけで1,180円は高い!」という意見も見られたので、実際にサービスを試して、果たして1,180円の価値はあるのか、かんたんに考察してみた。
使い始めてまず感じたのは、妙な言い方になってしまうが、「ああ、本当に広告が表示されないんだな」というもの。これまで「YouTubeと広告はセット」というイメージがあったので、逆に広告がないことにソワソワする(すぐに慣れるだろうが)。
一般的には「広告無し」であることを最大のメリットと感じる方が多いのかもしれないが、個人的にはこれまで、広告表示にイラつくことが少なかったので、それほど大きなメリットと感じなかった。とはいえ、一度この「広告無し」を体験してしまうと、もう「広告あり」には戻れなくなりそうな予感もあるのだが…。
もちろん、これまで「広告が鬱陶しい」とはっきり感じていた方にとっては、待望の広告非表示対応ということになるのだろう。
■バックグラウンド再生、オフライン再生が便利
一方で私が「これは便利」と改めて実感したのは、バックグラウンド再生が行えること。YouTubeで音楽を聴いているとき、ほかのアプリに移動すると、その都度再生が停止される。私の場合は、これが非常に大きなストレスだった。
最近、中学校の合唱コンクールの演奏を聴くのにハマっているのだが、こういうコンテンツは合法のものであっても、普通の音楽ストリーミングサービスでは配信されておらず、YouTubeにしかないものも多い。こういった楽曲を聴いているとき、うっかりスリープボタンを押したり、ほかのアプリに移動すると、これまではピタッと再生が停まってしまっていた。こういったことが「YouTube Premium」ではなくなる。これは嬉しい。
ちなみにこのバックグラウンド再生は「常にオン」「ヘッドホン/オーディオ機器での出力時にオン」「オフ」から選択することもできる。
また、動画をかんたんにオフライン保存できるようになったのも、素直に便利だと感じる。何度も繰り返し見るような動画はローカルに保存しておけば、パケット消費を抑えられる。またWi-Fiモデルのタブレットなど、かんたんにネットワークへ接続できないデバイスでも活躍する機能だろう。
オフライン動画のダウンロード画質は720p/480p/360pから選べ、コンテンツによって毎回変えることもできる。たとえば「これは高画質で楽しみたいから720p」「これは音を中心に楽しみたいから360p」といったように、視聴するスタイルに応じて選べるのは嬉しい。
ここまででも、YouTubeのヘビーユーザーにはかなり便利な機能と言えるが、これだけに対して月1,180円を払うのは、率直に言ってちょっと高いと感じる。運用の工夫次第でなんとかなるレベルとも思うからだ。
■YouTubeとYouTube Musicの違い
ただし、この「YouTube Premium」は、決して「これまでのYouTubeが便利に使えるだけのサービス」ではない。新たに始まった音楽ストリーミングサービス「YouTube Music Premium」も利用できるのだ。YouTube Music Premiumは月額980円なので、YouTube Premiumとの差額は200円となる。
では、YouTube Music Premiumがどのようなサービスかというと、短時間使った感触では、これまでのGoogle Play Musicをベースに新たなインターフェースや機能を加え、それにYouTubeの音楽コンテンツも統合したもの、という印象だ。
まだ使い始めたばかりで、レコメンド精度までは判断できないが、最初にかなり細かく自分の好みのアーティストを選べるので、そこから派生したアーティストの曲だけでも、かなり楽しめる。
また、再生時の音質が設定できるのは「YouTube Music」アプリだけだ。しかもモバイルネットワーク時、Wi-Fi時の音質について、それぞれ「高」「標準」「低」「常に高音質」の4つから設定できる。
さらにYouTubeはGoogleが提供するサービスだから、Google HomeやGoogleアシスタントなど、Googleのプロダクトとも密接に連携する。すでにGoogleアシスタント対応スピーカーとYouTube Musicを連動させることができる。
ここで悩ましいのは、このYouTube Music Premiumでも、YouTubeの音楽関連動画のオフライン再生やバックグラウンド再生ができてしまう、ということだ。YouTubeの音楽のバックグラウンド再生やオフライン再生にも対応した、大量の楽曲が楽しめる音楽ストリーミングサービスと考えると、月額980円は高くない。
だがYouTube Music Premiumでは、音楽コンテンツ以外の動画は再生も保存も行えない。たとえばヒカキンやはじめしゃちょーの新作動画をオフライン保存する、といったことはできない。それはYouTube Premiumの領分なのだ。
音楽配信ストリーミングサービスとしてYouTube Music Premiumを気に入ったのであれば、YouTube Premiumは、200円足すだけでYouTubeのすべての動画の広告非表示、オフライン再生、バックグラウンド再生ができることになり、かなりお得感が出てくる。YouTubeをよく見る方なら、少し奮発して1,180円のYouTube Premiumを選択することをオススメしたい。
■キモは「YouTube Music Premium」に魅力を感じるかどうか
一方でYouTube Music Premiumを使って、SpotifyやApple Musicなど他サービスの方に優位性を感じたり、あるいはAmazon Alexaをメインで使っていて、そもそもGoogle系サービスは利用しづらいといった事情があるのなら、話は別だ。
YouTube Music Premiumを使わない場合、YouTubeの広告非表示/オフライン再生/バックグラウンド再生だけに月1,000円以上を出費することになるわけで、少し割高感があるのは否めない。
つまり、YouTube Premiumの価格設定が妥当かどうかは、YouTube Music Premiumを利用するかどうかによって大きく変わってくる。YouTube Premiumには3ヶ月間のお試し期間があるので、まずはじっくり使ってみることをオススメする。
最後に、蛇足かもしれないが、YouTube Music Premiumの問題点を一点だけ指摘しておきたい。YouTubeのアップロード動画と、公式に用意された楽曲がごちゃ混ぜになって再生されるのは、新鮮な感覚があってとても良いのだが、音量レベルが違いすぎて困る場合がある。音量のノーマライゼーション機能を早期に導入して欲しい。
概要はニュース記事でお伝えした通りだが、月額料金1,180円で、広告無しの動画再生、オフライン再生、バックグラウンド再生などをYouTube全体で利用できる。さらに、人気スターのオリジナル作品や映画も楽しめる。
■「広告なし」だけで1,180円というわけではない
この「月額料金1,180円」という価格設定に対して、当サイトのTwitterなどで「広告無しだけで1,180円は高い!」という意見も見られたので、実際にサービスを試して、果たして1,180円の価値はあるのか、かんたんに考察してみた。
使い始めてまず感じたのは、妙な言い方になってしまうが、「ああ、本当に広告が表示されないんだな」というもの。これまで「YouTubeと広告はセット」というイメージがあったので、逆に広告がないことにソワソワする(すぐに慣れるだろうが)。
一般的には「広告無し」であることを最大のメリットと感じる方が多いのかもしれないが、個人的にはこれまで、広告表示にイラつくことが少なかったので、それほど大きなメリットと感じなかった。とはいえ、一度この「広告無し」を体験してしまうと、もう「広告あり」には戻れなくなりそうな予感もあるのだが…。
もちろん、これまで「広告が鬱陶しい」とはっきり感じていた方にとっては、待望の広告非表示対応ということになるのだろう。
■バックグラウンド再生、オフライン再生が便利
一方で私が「これは便利」と改めて実感したのは、バックグラウンド再生が行えること。YouTubeで音楽を聴いているとき、ほかのアプリに移動すると、その都度再生が停止される。私の場合は、これが非常に大きなストレスだった。
最近、中学校の合唱コンクールの演奏を聴くのにハマっているのだが、こういうコンテンツは合法のものであっても、普通の音楽ストリーミングサービスでは配信されておらず、YouTubeにしかないものも多い。こういった楽曲を聴いているとき、うっかりスリープボタンを押したり、ほかのアプリに移動すると、これまではピタッと再生が停まってしまっていた。こういったことが「YouTube Premium」ではなくなる。これは嬉しい。
ちなみにこのバックグラウンド再生は「常にオン」「ヘッドホン/オーディオ機器での出力時にオン」「オフ」から選択することもできる。
また、動画をかんたんにオフライン保存できるようになったのも、素直に便利だと感じる。何度も繰り返し見るような動画はローカルに保存しておけば、パケット消費を抑えられる。またWi-Fiモデルのタブレットなど、かんたんにネットワークへ接続できないデバイスでも活躍する機能だろう。
オフライン動画のダウンロード画質は720p/480p/360pから選べ、コンテンツによって毎回変えることもできる。たとえば「これは高画質で楽しみたいから720p」「これは音を中心に楽しみたいから360p」といったように、視聴するスタイルに応じて選べるのは嬉しい。
ここまででも、YouTubeのヘビーユーザーにはかなり便利な機能と言えるが、これだけに対して月1,180円を払うのは、率直に言ってちょっと高いと感じる。運用の工夫次第でなんとかなるレベルとも思うからだ。
■YouTubeとYouTube Musicの違い
ただし、この「YouTube Premium」は、決して「これまでのYouTubeが便利に使えるだけのサービス」ではない。新たに始まった音楽ストリーミングサービス「YouTube Music Premium」も利用できるのだ。YouTube Music Premiumは月額980円なので、YouTube Premiumとの差額は200円となる。
では、YouTube Music Premiumがどのようなサービスかというと、短時間使った感触では、これまでのGoogle Play Musicをベースに新たなインターフェースや機能を加え、それにYouTubeの音楽コンテンツも統合したもの、という印象だ。
まだ使い始めたばかりで、レコメンド精度までは判断できないが、最初にかなり細かく自分の好みのアーティストを選べるので、そこから派生したアーティストの曲だけでも、かなり楽しめる。
また、再生時の音質が設定できるのは「YouTube Music」アプリだけだ。しかもモバイルネットワーク時、Wi-Fi時の音質について、それぞれ「高」「標準」「低」「常に高音質」の4つから設定できる。
さらにYouTubeはGoogleが提供するサービスだから、Google HomeやGoogleアシスタントなど、Googleのプロダクトとも密接に連携する。すでにGoogleアシスタント対応スピーカーとYouTube Musicを連動させることができる。
ここで悩ましいのは、このYouTube Music Premiumでも、YouTubeの音楽関連動画のオフライン再生やバックグラウンド再生ができてしまう、ということだ。YouTubeの音楽のバックグラウンド再生やオフライン再生にも対応した、大量の楽曲が楽しめる音楽ストリーミングサービスと考えると、月額980円は高くない。
だがYouTube Music Premiumでは、音楽コンテンツ以外の動画は再生も保存も行えない。たとえばヒカキンやはじめしゃちょーの新作動画をオフライン保存する、といったことはできない。それはYouTube Premiumの領分なのだ。
音楽配信ストリーミングサービスとしてYouTube Music Premiumを気に入ったのであれば、YouTube Premiumは、200円足すだけでYouTubeのすべての動画の広告非表示、オフライン再生、バックグラウンド再生ができることになり、かなりお得感が出てくる。YouTubeをよく見る方なら、少し奮発して1,180円のYouTube Premiumを選択することをオススメしたい。
■キモは「YouTube Music Premium」に魅力を感じるかどうか
一方でYouTube Music Premiumを使って、SpotifyやApple Musicなど他サービスの方に優位性を感じたり、あるいはAmazon Alexaをメインで使っていて、そもそもGoogle系サービスは利用しづらいといった事情があるのなら、話は別だ。
YouTube Music Premiumを使わない場合、YouTubeの広告非表示/オフライン再生/バックグラウンド再生だけに月1,000円以上を出費することになるわけで、少し割高感があるのは否めない。
つまり、YouTube Premiumの価格設定が妥当かどうかは、YouTube Music Premiumを利用するかどうかによって大きく変わってくる。YouTube Premiumには3ヶ月間のお試し期間があるので、まずはじっくり使ってみることをオススメする。
最後に、蛇足かもしれないが、YouTube Music Premiumの問題点を一点だけ指摘しておきたい。YouTubeのアップロード動画と、公式に用意された楽曲がごちゃ混ぜになって再生されるのは、新鮮な感覚があってとても良いのだが、音量レベルが違いすぎて困る場合がある。音量のノーマライゼーション機能を早期に導入して欲しい。
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