公開日 2019/04/24 09:45
[ PR ] アコースティックラボ「第60回Acoustic Audio Forum」レポート
ただの壁はオーディオに悪影響!? プロが教える「高音質な部屋」づくりのコツとは?
編集部:小野佳希
オーディオにとって“部屋”はスピーカーやプレーヤー同等、いや、場合によってはそれ以上に重要な要素となる。オーディオ機器から良い音が鳴っていても、その音が鳴り響く部屋の環境が整っていなければ魅力をフルで味わえないからだ。
そんな“部屋”の重要性を体験できるイベントを定期的に開催しているのが、“音楽家のための防音工事会社”を謳う「アコースティックラボ」だ。「壁」をテーマに開催された最新回「第60回Acoustic Audio Forum」の模様をレポートする。
■部屋づくりのプロによる「AL式オーディオルーム」での定期イベント
アコースティックラボは、オーディオファンがオーナーである物件の防音工事を多数手がける会社。プロのミュージシャンやエンジニアが使う音楽スタジオも手がけるなど、音楽再生のための部屋づくりについて豊富なノウハウを有している。
そんな同社のノウハウをもとに、“高音質な部屋”づくりを体験できるのが、今回レポートする「Acoustic Audio Forum」。防音ショールーム「蔵前ヴィレッジ」を舞台に、月一回のペースで定期的に開催されている恒例イベントだ。
同社では、音がいい部屋をつくる上では、「縦/横/天井高という部屋の各辺の寸法比(低音の定在波対策)」、「壁/床/天井の剛性(不要高調波輻射音対策)」に留意すること、そして、そのうえで響きの長さを調整するなどといったことがポイントだと説明。これらをちゃんと踏まえて構築した部屋を、社名にちなんで「AL(Acoustic Lab)式オーディオルーム」として提唱している。試聴会の会場である「蔵前ヴィレッジ」も、そんなAL式オーディオルームの代表例だ。
■現代建築での壁はオーディオに悪影響!?
今回のイベントのテーマは「オーディオルームの壁の構造を防音と響きの両面から考える」。部屋を構成する要素のなかでも特に「壁」に注目して、防音性能およびオーディオの音質への影響を解説するというものだ。
同社の鈴木代表は「現代住宅の壁は、内装材と一番外側の構造体の間に空間がある中空構造になっている」と解説。「断熱や耐震性などの観点からはメリットが大きいのだが、音楽を楽しむときに限界が見えてくる」と語る。
音楽再生にとって現代住宅の壁がデメリットになるのはなぜか? それは「軽くて振動しやすい」という点がまず第一に挙げられる。壁の内装材に使われる石膏ボードのような軽い面材では、振動が原因の「コインシデンス効果」が起こって遮音性能が低下するばかりか、二次音源として空間に放出される。そして、それが特に中高音域のカラーレーションにつながるのだ。
また、上記の中空構造も問題になる。ちょうど太鼓のような構造が原因なので「太鼓現象」とも呼ばれるが、低音域での共振が起こり、中低音域が必要以上に吸音されてしまったり、低音共振に伴う副次共振による歪音が発声してしまうのである。
こうした問題に対し、同社の防音工事では、壁(だけではなく床や天井も含めて)の剛性を高める設計を採用。厚く重い材料を用いることで剛性を高め、振動しにくい壁・床・天井を構築する。オーディオファンにとって剛性や振動対策の重要さは馴染み深いものがあるが、機器だけでなく部屋にとっても重要な要素である点が興味深い。
■オーディオ機器メーカーの試聴室も「壁」に注目
そしてイベントでは、「壁」という観点から考えたときにわかりやすい事例として、ネットワークプレーヤーを中心とした製品を展開するメーカー「スフォルツァート」の試聴室に言及。
「深夜でも気にせず製品開発に没頭できるように、ふつうのオーディオ再生だけなら本当は必要ないほど高いレベルの防音性能を実現した部屋」(同社スタッフの草階氏)とのことで、その防音性能の根拠となるのが壁の構造なのだという。
この部屋では、通常よりも断面の大きい柱を使った上でロックウールの吸音材を使用。そして厚さ5cmの壁材を使い、さらに漆喰で壁を仕上げている。重たい壁と外壁の間の空気層によって非常に高い防音性能を実現したのだそうだ。
そして、こうして高剛性の壁によって太鼓現象の発生も回避。「我々の防音工事でなら、防音性能を高めるのと同時に、音質面にもメリットがある」とアピールした。
■密かに注目が高まるLAN-DAC機能のデモも
また、この日は「LAN-DACの音の良さを検証する」をサブテーマに据えて、PCオーディオのデモも実施。オーディオ用途に特化したパソコンを展開するオリオスペック社より酒井社長も駆けつけ、PCオーディオについての解説も行われた。
LAN-DACとは、音楽信号をUSB-DACのようにUSBケーブルで伝送するのではなく、LANで伝送するというもの。「実はUSB規格は音についてはほとんど考慮されていないのだが、便利だからオーディオ用にも使っているのが実情。各社が様々な工夫を凝らしているが、突き詰めていくとやはり限界はある」と酒井氏は説明する。
LAN-DACでは、音楽伝送に最適なプロトコルを突き詰めて開発された「Diretta」という新規格を使用。「PCやプレーヤー側から送られた信号を、DAC側がそのままDA変換すればいいだけの状態にしてあげようということを目的にしている」(酒井氏)とのことで、「DAC側に負担がかからないので、それが音質の良さにつながるという考えだ」と紹介された。
■次回テーマは「天井」。4月26日(金)・27日(土)に開催
さて、そんな本イベント「Acoustic Audio Forum」、次回は今週末4月26日(金)・27日(土)に開催が決定している。
次回テーマは「住宅の天井は振動しやすく、響きのニゴリ、雑味の原因になっている」。本記事でレポートした「壁」に続き、今度は「天井」がオーディオに与える影響について解説するというものだ。
同社では「天井の下地構造は薄く軽い構造でできていて、100〜300mmの天井裏空気層をもっている」とし、「したがって100Hz以下の低域で共振しやすく、その結果低音の必要以上の吸音と雑味成分の多い2次反射音が発生している」と説明。当日は理論やデータをもとに部屋づくりのノウハウと音出しデモを行う。
あわせて、平面振動板スピーカーにもフィーチャー。ビームテック社の「Nova2101」も体験できるようにする。
会場はこれまで同様に同社蔵前ショールーム「蔵前ヴィレッジ」。 公式サイトのメールフォーム、または下記問い合わせ先から参加申し込みを受け付けている。
■日時
4月26日(金)18時〜20時(17時開場・自由試聴時間)
4月27日(土)14時〜16時(13時開場・自由試聴時間)
■会場:同社蔵前ショールーム「蔵前ヴィレッジ」
(台東区柳橋2-19-10 第二東商センタービル2号館B棟1階/最寄り:各線浅草橋駅)
【問い合わせ先】
アコースティックラボ
担当:草階(くさかい)氏
TEL/03-5829-6035
E-mail/ kusakai@acoustic-designsys.com
(PR企画 提供:アコースティックラボ)
そんな“部屋”の重要性を体験できるイベントを定期的に開催しているのが、“音楽家のための防音工事会社”を謳う「アコースティックラボ」だ。「壁」をテーマに開催された最新回「第60回Acoustic Audio Forum」の模様をレポートする。
■部屋づくりのプロによる「AL式オーディオルーム」での定期イベント
アコースティックラボは、オーディオファンがオーナーである物件の防音工事を多数手がける会社。プロのミュージシャンやエンジニアが使う音楽スタジオも手がけるなど、音楽再生のための部屋づくりについて豊富なノウハウを有している。
そんな同社のノウハウをもとに、“高音質な部屋”づくりを体験できるのが、今回レポートする「Acoustic Audio Forum」。防音ショールーム「蔵前ヴィレッジ」を舞台に、月一回のペースで定期的に開催されている恒例イベントだ。
同社では、音がいい部屋をつくる上では、「縦/横/天井高という部屋の各辺の寸法比(低音の定在波対策)」、「壁/床/天井の剛性(不要高調波輻射音対策)」に留意すること、そして、そのうえで響きの長さを調整するなどといったことがポイントだと説明。これらをちゃんと踏まえて構築した部屋を、社名にちなんで「AL(Acoustic Lab)式オーディオルーム」として提唱している。試聴会の会場である「蔵前ヴィレッジ」も、そんなAL式オーディオルームの代表例だ。
■現代建築での壁はオーディオに悪影響!?
今回のイベントのテーマは「オーディオルームの壁の構造を防音と響きの両面から考える」。部屋を構成する要素のなかでも特に「壁」に注目して、防音性能およびオーディオの音質への影響を解説するというものだ。
同社の鈴木代表は「現代住宅の壁は、内装材と一番外側の構造体の間に空間がある中空構造になっている」と解説。「断熱や耐震性などの観点からはメリットが大きいのだが、音楽を楽しむときに限界が見えてくる」と語る。
音楽再生にとって現代住宅の壁がデメリットになるのはなぜか? それは「軽くて振動しやすい」という点がまず第一に挙げられる。壁の内装材に使われる石膏ボードのような軽い面材では、振動が原因の「コインシデンス効果」が起こって遮音性能が低下するばかりか、二次音源として空間に放出される。そして、それが特に中高音域のカラーレーションにつながるのだ。
また、上記の中空構造も問題になる。ちょうど太鼓のような構造が原因なので「太鼓現象」とも呼ばれるが、低音域での共振が起こり、中低音域が必要以上に吸音されてしまったり、低音共振に伴う副次共振による歪音が発声してしまうのである。
こうした問題に対し、同社の防音工事では、壁(だけではなく床や天井も含めて)の剛性を高める設計を採用。厚く重い材料を用いることで剛性を高め、振動しにくい壁・床・天井を構築する。オーディオファンにとって剛性や振動対策の重要さは馴染み深いものがあるが、機器だけでなく部屋にとっても重要な要素である点が興味深い。
■オーディオ機器メーカーの試聴室も「壁」に注目
そしてイベントでは、「壁」という観点から考えたときにわかりやすい事例として、ネットワークプレーヤーを中心とした製品を展開するメーカー「スフォルツァート」の試聴室に言及。
「深夜でも気にせず製品開発に没頭できるように、ふつうのオーディオ再生だけなら本当は必要ないほど高いレベルの防音性能を実現した部屋」(同社スタッフの草階氏)とのことで、その防音性能の根拠となるのが壁の構造なのだという。
この部屋では、通常よりも断面の大きい柱を使った上でロックウールの吸音材を使用。そして厚さ5cmの壁材を使い、さらに漆喰で壁を仕上げている。重たい壁と外壁の間の空気層によって非常に高い防音性能を実現したのだそうだ。
そして、こうして高剛性の壁によって太鼓現象の発生も回避。「我々の防音工事でなら、防音性能を高めるのと同時に、音質面にもメリットがある」とアピールした。
■密かに注目が高まるLAN-DAC機能のデモも
また、この日は「LAN-DACの音の良さを検証する」をサブテーマに据えて、PCオーディオのデモも実施。オーディオ用途に特化したパソコンを展開するオリオスペック社より酒井社長も駆けつけ、PCオーディオについての解説も行われた。
LAN-DACとは、音楽信号をUSB-DACのようにUSBケーブルで伝送するのではなく、LANで伝送するというもの。「実はUSB規格は音についてはほとんど考慮されていないのだが、便利だからオーディオ用にも使っているのが実情。各社が様々な工夫を凝らしているが、突き詰めていくとやはり限界はある」と酒井氏は説明する。
LAN-DACでは、音楽伝送に最適なプロトコルを突き詰めて開発された「Diretta」という新規格を使用。「PCやプレーヤー側から送られた信号を、DAC側がそのままDA変換すればいいだけの状態にしてあげようということを目的にしている」(酒井氏)とのことで、「DAC側に負担がかからないので、それが音質の良さにつながるという考えだ」と紹介された。
■次回テーマは「天井」。4月26日(金)・27日(土)に開催
さて、そんな本イベント「Acoustic Audio Forum」、次回は今週末4月26日(金)・27日(土)に開催が決定している。
次回テーマは「住宅の天井は振動しやすく、響きのニゴリ、雑味の原因になっている」。本記事でレポートした「壁」に続き、今度は「天井」がオーディオに与える影響について解説するというものだ。
同社では「天井の下地構造は薄く軽い構造でできていて、100〜300mmの天井裏空気層をもっている」とし、「したがって100Hz以下の低域で共振しやすく、その結果低音の必要以上の吸音と雑味成分の多い2次反射音が発生している」と説明。当日は理論やデータをもとに部屋づくりのノウハウと音出しデモを行う。
あわせて、平面振動板スピーカーにもフィーチャー。ビームテック社の「Nova2101」も体験できるようにする。
会場はこれまで同様に同社蔵前ショールーム「蔵前ヴィレッジ」。
■日時
4月26日(金)18時〜20時(17時開場・自由試聴時間)
4月27日(土)14時〜16時(13時開場・自由試聴時間)
■会場:同社蔵前ショールーム「蔵前ヴィレッジ」
(台東区柳橋2-19-10 第二東商センタービル2号館B棟1階/最寄り:各線浅草橋駅)
【問い合わせ先】
アコースティックラボ
担当:草階(くさかい)氏
TEL/03-5829-6035
E-mail/
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