公開日 2020/01/17 10:57
【PR】アコースティックラボ「第68回Acoustic Audio Forum」レポート
スピーカーの設置位置で音はこんなに変わる! プロが教える「高音質な部屋づくり」
オーディオ機器、特にスピーカーは購入したあとのセッティングも音質追求のポイント。そんなスピーカーの設置方法での音質の変化について、部屋づくりのプロが解説するイベント「第68回 Acoustic Audio Forum」が開催された。
■“オーディオ再生に適した部屋”の条件
イベントの主催は、オーディオフォン向けの防音工事のみならず、プロのミュージシャンやエンジニアも使う音楽スタジオの設計などを多数手掛ける防音工事会社、アコースティックラボ。“音楽家のための防音工事会社”を謳い長年活動してきた豊富なノウハウを基に、オーディオに適した部屋づくりを解説している。
なぜ防音工事会社がオーディオの試聴会を開いているのか? それは「部屋もオーディオの一部」だと同社が考えているからだ。どんなに高級なオーディオ機器を買ったとしても、そこから出てくる音は、部屋の影響を大きく受ける。オーディオ機器のポテンシャルを最大限に引き出すには、その音が鳴り響く部屋こそが重要だという考え方だ。
同社では、そんな“オーディオ再生に適した部屋”の条件として…
・縦/横/天井高という部屋の各辺の寸法比(低音の定在波対策)
・壁/床/天井の剛性(不要高調波輻射音対策)に留意すること
・そのうえで響きの長さを調整する
といったことがポイントだと説明。こうした点に沿って構築した部屋を、社名のAcoustic Labにちなんで「AL式オーディオルーム」と呼んでいる。そして、そんなAL式オーディオルームの代表例である同社蔵前ショールーム「蔵前ヴィレッジ」にて、定期的に試聴会を開催しているのだ。
■ほんのわずかな設置位置の違いが大きな差に
今回レポートする回のテーマは前述のように「スピーカーのセッティングについて」。設置位置を、デフォルト、約30センチ前に移動、そこからさらに内側に数十センチ移動、という3ヶ所からの再生を試し、その音質の違いを体験するというデモが行われた。
セッティングするにあたっては、「スピーカーの背後の壁および側弁の壁からある程度の距離をとる」「正三角形または二等辺三角形の2点の位置に配置し、かつリスニング軸にシンメトリーになるようにする」という基本的な考え方を最初に解説。
そして「帯域で言えば低音の質感がスピーカーの設置位置での違いを大きく感じる部分だ。そのため、まずは低音がよく伸びるかをチェックしながら大まかな位置を決めていく」と説明。代表の鈴木氏は「私の場合、低音がよく持続するような楽曲で位置を探っている」と語る。
その次は10cm以内の位置や角度の調整。これによって中音域や全体的な音のステレオバランスを整える。そして最後に数センチ単位での微調整および角度の微調整を行うが、これは特に高音域に影響し、左右の広がり感や音場の奥行き感、録音現場の空気感・気配の再現につながるという。
実際にデモを体験してみると、ほんのわずかな位置の違いで如実に音が変わることを改めて実感できた。そして、その違いをちゃんと感じ取れるのも、会場となっている部屋の素性が良いからだということも実感させられた。
同社の鈴木氏は「我々が部屋をつくる際には、定在波が偏らず均等に分布するよう設計している」と、同社の部屋づくりにおける音質への配慮を解説。「そのため、機器のセッティングがおかしくてもそこまで音は悪くならない。しかし、寸法比が悪い部屋だとスピーカーのセッティングが大きく影響し、位置によっては音が悪くなってしまう」と続けた。
■次回テーマは「オーディオルームの内装材:無垢の木材の音は良いのか?」
このように、オーディオにおける部屋の重要性について体験できる本イベント。次回は1月24日(金)・25日(土)に開催が決定している。
テーマは「オーディオルームの内装材:無垢の木材の音は良いのか?」。古来より部屋の内装材に常用されてきた「木材の響き」に着目し実験、検証する。当日は無垢の板材のパネルを5〜6枚制作し、持ち込むことによるその効果を確めるという。
同社では、「オーディオルームの内装は歪輻射音の発生を避けるためにできる限り高剛性・高密度部材で構成するというのが基本音響設計のコンセプトだ。しかし現実的には100%無共振・無振動の部位を造ることは不可能だ」とし、「一方、音の共振現象であっても、不快な響きに感じる共振と心地よく美しく感じる共振(楽器が典型的な例)がある。無共振・無振動が無理であるならば振動音は美しくあってほしい…否、積極的に取り入れて自分のオーディオ世界を構築しようという人がいても不思議ではない」と、次回テーマ設定の背景を説明。こうした背景を受けて、木材を内装材に使用することについての実験を行うとしている。
また、サブテーマに「CD・SACDプレーヤーの再生能力の進化はどこまで可能なのか?」を設定。ソウルノートの最新作「S3」を用いてディスク音源再生の現在を確認するともしている。
会場は同じく蔵前ヴィレッジで、金曜日、土曜日ともに基本的な内容は同一。24日(金)は18時 - 20時、25日(土)は13時 - 15時での開催となる。
公式サイトのメールフォームおよび下記問い合わせ先から参加申込を受付中。なお、土曜日はイベントの前後、10時 - 12時と15時 - 17時にオーディオルーム個別相談会も実施。個別相談会を希望する場合、申込フォーム備考欄への記入か電話での事前予約が必要。
【問い合わせ先】
アコースティックラボ
担当:草階(くさかい)氏
TEL/03-5829-6035
E-mail/ kusakai@acoustic-labo.com
(協力:アコースティックラボ)
■“オーディオ再生に適した部屋”の条件
イベントの主催は、オーディオフォン向けの防音工事のみならず、プロのミュージシャンやエンジニアも使う音楽スタジオの設計などを多数手掛ける防音工事会社、アコースティックラボ。“音楽家のための防音工事会社”を謳い長年活動してきた豊富なノウハウを基に、オーディオに適した部屋づくりを解説している。
なぜ防音工事会社がオーディオの試聴会を開いているのか? それは「部屋もオーディオの一部」だと同社が考えているからだ。どんなに高級なオーディオ機器を買ったとしても、そこから出てくる音は、部屋の影響を大きく受ける。オーディオ機器のポテンシャルを最大限に引き出すには、その音が鳴り響く部屋こそが重要だという考え方だ。
同社では、そんな“オーディオ再生に適した部屋”の条件として…
・縦/横/天井高という部屋の各辺の寸法比(低音の定在波対策)
・壁/床/天井の剛性(不要高調波輻射音対策)に留意すること
・そのうえで響きの長さを調整する
といったことがポイントだと説明。こうした点に沿って構築した部屋を、社名のAcoustic Labにちなんで「AL式オーディオルーム」と呼んでいる。そして、そんなAL式オーディオルームの代表例である同社蔵前ショールーム「蔵前ヴィレッジ」にて、定期的に試聴会を開催しているのだ。
■ほんのわずかな設置位置の違いが大きな差に
今回レポートする回のテーマは前述のように「スピーカーのセッティングについて」。設置位置を、デフォルト、約30センチ前に移動、そこからさらに内側に数十センチ移動、という3ヶ所からの再生を試し、その音質の違いを体験するというデモが行われた。
セッティングするにあたっては、「スピーカーの背後の壁および側弁の壁からある程度の距離をとる」「正三角形または二等辺三角形の2点の位置に配置し、かつリスニング軸にシンメトリーになるようにする」という基本的な考え方を最初に解説。
そして「帯域で言えば低音の質感がスピーカーの設置位置での違いを大きく感じる部分だ。そのため、まずは低音がよく伸びるかをチェックしながら大まかな位置を決めていく」と説明。代表の鈴木氏は「私の場合、低音がよく持続するような楽曲で位置を探っている」と語る。
その次は10cm以内の位置や角度の調整。これによって中音域や全体的な音のステレオバランスを整える。そして最後に数センチ単位での微調整および角度の微調整を行うが、これは特に高音域に影響し、左右の広がり感や音場の奥行き感、録音現場の空気感・気配の再現につながるという。
実際にデモを体験してみると、ほんのわずかな位置の違いで如実に音が変わることを改めて実感できた。そして、その違いをちゃんと感じ取れるのも、会場となっている部屋の素性が良いからだということも実感させられた。
同社の鈴木氏は「我々が部屋をつくる際には、定在波が偏らず均等に分布するよう設計している」と、同社の部屋づくりにおける音質への配慮を解説。「そのため、機器のセッティングがおかしくてもそこまで音は悪くならない。しかし、寸法比が悪い部屋だとスピーカーのセッティングが大きく影響し、位置によっては音が悪くなってしまう」と続けた。
■次回テーマは「オーディオルームの内装材:無垢の木材の音は良いのか?」
このように、オーディオにおける部屋の重要性について体験できる本イベント。次回は1月24日(金)・25日(土)に開催が決定している。
テーマは「オーディオルームの内装材:無垢の木材の音は良いのか?」。古来より部屋の内装材に常用されてきた「木材の響き」に着目し実験、検証する。当日は無垢の板材のパネルを5〜6枚制作し、持ち込むことによるその効果を確めるという。
同社では、「オーディオルームの内装は歪輻射音の発生を避けるためにできる限り高剛性・高密度部材で構成するというのが基本音響設計のコンセプトだ。しかし現実的には100%無共振・無振動の部位を造ることは不可能だ」とし、「一方、音の共振現象であっても、不快な響きに感じる共振と心地よく美しく感じる共振(楽器が典型的な例)がある。無共振・無振動が無理であるならば振動音は美しくあってほしい…否、積極的に取り入れて自分のオーディオ世界を構築しようという人がいても不思議ではない」と、次回テーマ設定の背景を説明。こうした背景を受けて、木材を内装材に使用することについての実験を行うとしている。
また、サブテーマに「CD・SACDプレーヤーの再生能力の進化はどこまで可能なのか?」を設定。ソウルノートの最新作「S3」を用いてディスク音源再生の現在を確認するともしている。
会場は同じく蔵前ヴィレッジで、金曜日、土曜日ともに基本的な内容は同一。24日(金)は18時 - 20時、25日(土)は13時 - 15時での開催となる。
【問い合わせ先】
アコースティックラボ
担当:草階(くさかい)氏
TEL/03-5829-6035
E-mail/
(協力:アコースティックラボ)
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