公開日 2021/11/23 07:00
240Hzのメリットとは
240Hzゲーミングモニターなら“勝てる“? プロゲーマー御用達「ZOWIE」で確かめた
編集部:平山洸太
e-Sportsの盛り上がりもあり、近年、ゲーミングギアへの注目や人気が高まっている。しかし、「最初はなにを買えばいいかわからない」というユーザーも多いだろう。
記者はそこそこゲームをやっている方だと自負しているが、勝てないというのは長年の悩みだ。10年以上もFPSゲームで遊んでいるのに、敵と対面したとき、なすすべもなく倒されてしまうほど弱い。
あくまで私感だが、ゲーム用に周辺機器を購入するとなると、まず先にマウスやキーボードから選ぶユーザーが多いように思う。次にボイスチャットをするためにヘッドセットを変えて、最後にモニターという流れだ。
しかし実際に試したところ、まず買うべきゲーミングギアとして、モニターを優先するのはありだ。記者はこれまで普通のモニターを使っていたのだが、ゲーミングモニターと交換した瞬間、撃ち勝てるようになってしまったからだ。もちろんマウスやヘッドセットなども重要だが、ここまでモニターの効果が大きいのには驚いた。
■ゲーミングモニターのメリットは?
ゲーミングモニターと普通のモニターの違いについて、まずはスペック面から簡単に紹介しよう。
一番のポイントとなるのが、リフレッシュレート(Hz)の違いだ。一般的なモニターでは60Hzだが、ゲーミングモニターでは2倍以上の144Hzや240Hzのモデルがラインナップされている。
リフレッシュレートとは、1秒間に画像が切り替わる枚数のことで、多ければ多いほど、映像がなめらかに見える。余談だが、近年ではiPhone 13 Proが120Hzに対応するなど、スマートフォンでもHzの高いディスプレイが増えてきている。
また、ゲーミングモニターは遅延の少ないモデルが多い。この遅延とは、自分がマウス等で行った操作が画面に表示されるまでのタイムラグのこと。一般的なモニターでも目で遅延を感じられないレベルがほとんどだが、小さければ小さいほど相手より早く動けるため、この差がいざというときに勝敗を分けるかもしれない。
■プロ御用達の「ZOWIE」ブランド
今回、ゲーミングモニターを試そうと思ったきっかけは、東京ゲームショウ2021のリアル展示で幕張メッセへ赴いた際のことだ。BenQブースの担当者が、「騙されたと思って使ってみてください。勝てます!」と、ZOWIEのゲーミングモニターをアピールしていたのが印象的だった。
「勝てるようになるかもしれません」ではなく「勝てます!」と断言するのは、よほどのことだ。こういったことがあり、ZOWIEのフラグシップモデル「XL2546K」をお借りして、いつもの自宅環境でプレイしてみた。
まずZOWIE(ゾーイ)について触れておくと、映像機器メーカーのBenQによる、e-Sports向けのブランドだ。PUBGやCS:GOといった人気ゲームなど、多くの大会に用いられているほか、プロゲーマーでも愛用しているユーザーは多い。つまりZOWIEのモニターを使うことで、 “プロと同じ環境” が手に入るわけだ。
なお、記者はゲームショウで展示機を少し触ってみたが、「確かに滑らかだな」と感じるくらいで、それが “勝つ” ことにどれだけ寄与するか、実感がわかなかった。同じように店頭で試しに触ってみて、いまいち効果のわからなったという方もいるのではないだろうか。しかし実際に使ってみると、驚くほどに勝てる。これは、普段の環境で実際に使ってみて、はじめて分かることといえる。
■敵の動きが見える、撃てば当たる
タイトルは、日ごろプレイしているFPSゲーム「Rainbow Six Siege」をまずは試してみた。5対5でチームを組み、防衛側と攻撃側でポイントを競い合うゲームだ。
プレイを始めてすぐに気がついたのが、エイミング(銃の照準をマウスで合わすこと)が圧倒的にやりやすいこと。いつもは出会い頭ですぐに撃たれ、何もできずに負けてしまう場面であっても、 “撃たれる前に撃つ” ができてしまう。
高リフレッシュレートのモニターでは、映像が滑らかに見えるのは、先にご紹介したとおり。これによって、近距離の激しい撃ち合い、敵の飛び出し、後ろから敵が来て振り向くといった、動きが早くて大きいシーンであっても、敵の動きが目で追いやすいのだ。
素早い動きでも目で追えるならと、スピード感のある人気バトルロイヤルゲーム「Apex Legends」も試してみた。
このゲームは至近距離で撃ち合うことも多く、左右に動いたりジャンプをしながらの銃撃戦になることも度々あるが、このような場合でも相手がくっきりとしている。これまでは、 “撃っても当たらない” と感じていたのだが、やはり不思議なほど命中してくれる。
試しに、いままで使ってきた60fpsに落とすと、パラパラ漫画のように見えてしまうほどで、とても撃ちにくい。またゲーミングモニターの入門モデルで主流の144Hzにも設定してみたが、240Hzを体感したあとだと、滑らかさが物足りない。とはいえ60fpsに落としたときほど差は大きくなく、予算的に厳しければ、144Hzでも十分に満足できると感じた。
また、ゲーミングモニターならではの映像の滑らかさもさることながら、フレーム間に黒を挿入することで残像を低減するという、ZOWIEの独自機能「DyAc+」が効果絶大だった。
頭を狙うヘッドショットはダメージも高いため、上手な人はここを狙うのだが、当てる面積が狭いので撃ちにくい。また、銃を撃ったときの反動(リコイル)で、画面全体が細かくブレてしまう。そういった場合でもDyAc+をオンにすることで、輪郭やテクスチャーがブレずにくっきりと表示されるので、圧倒的に狙いやすくて驚いた。
記者はApex Legendsでは勝てなくて引退してしまった一人なのだが、ここまで撃ち勝てるとなると、楽しくなってくる。モニターをゲーミングにしただけで「ここまで変わるとは思わなかった」というのが正直なところだ。
◇
今回はPCで検証したが、PCでは高いリフレッシュレートを出すために、ある程度のスペックが必要になってしまうデメリットもあるため、最初にPCを購入するときは、しっかりとスペックを考えたい。一方で、PS5との組み合わせでは、Rainbow Six Siegeやフォートナイトなど、対応タイトルが120fpsで楽しめる。
またオーディオでは、耳に近いところから変えていくと効果が大きいと、よく言われる。イヤホンやヘッドホン、スピーカーがこれに当てはまるが、ゲーミングで最後のアウトプットを担うのは、視覚面ではモニターだ。
ゲーミングPC環境を構築するときは、ゲーミングPCのスペックや、マウスやキーボードといった手に触れる部分がつい気になってしまう。しかし、ゲーミングモニターによる効果が大きいということが、実際に試してわかった。
“勝ちたい” もしくは “勝てない” と感じているユーザーは、ゲーミングモニターをぜひ試してみてほしい。
記者はそこそこゲームをやっている方だと自負しているが、勝てないというのは長年の悩みだ。10年以上もFPSゲームで遊んでいるのに、敵と対面したとき、なすすべもなく倒されてしまうほど弱い。
あくまで私感だが、ゲーム用に周辺機器を購入するとなると、まず先にマウスやキーボードから選ぶユーザーが多いように思う。次にボイスチャットをするためにヘッドセットを変えて、最後にモニターという流れだ。
しかし実際に試したところ、まず買うべきゲーミングギアとして、モニターを優先するのはありだ。記者はこれまで普通のモニターを使っていたのだが、ゲーミングモニターと交換した瞬間、撃ち勝てるようになってしまったからだ。もちろんマウスやヘッドセットなども重要だが、ここまでモニターの効果が大きいのには驚いた。
■ゲーミングモニターのメリットは?
ゲーミングモニターと普通のモニターの違いについて、まずはスペック面から簡単に紹介しよう。
一番のポイントとなるのが、リフレッシュレート(Hz)の違いだ。一般的なモニターでは60Hzだが、ゲーミングモニターでは2倍以上の144Hzや240Hzのモデルがラインナップされている。
リフレッシュレートとは、1秒間に画像が切り替わる枚数のことで、多ければ多いほど、映像がなめらかに見える。余談だが、近年ではiPhone 13 Proが120Hzに対応するなど、スマートフォンでもHzの高いディスプレイが増えてきている。
また、ゲーミングモニターは遅延の少ないモデルが多い。この遅延とは、自分がマウス等で行った操作が画面に表示されるまでのタイムラグのこと。一般的なモニターでも目で遅延を感じられないレベルがほとんどだが、小さければ小さいほど相手より早く動けるため、この差がいざというときに勝敗を分けるかもしれない。
■プロ御用達の「ZOWIE」ブランド
今回、ゲーミングモニターを試そうと思ったきっかけは、東京ゲームショウ2021のリアル展示で幕張メッセへ赴いた際のことだ。BenQブースの担当者が、「騙されたと思って使ってみてください。勝てます!」と、ZOWIEのゲーミングモニターをアピールしていたのが印象的だった。
「勝てるようになるかもしれません」ではなく「勝てます!」と断言するのは、よほどのことだ。こういったことがあり、ZOWIEのフラグシップモデル「XL2546K」をお借りして、いつもの自宅環境でプレイしてみた。
まずZOWIE(ゾーイ)について触れておくと、映像機器メーカーのBenQによる、e-Sports向けのブランドだ。PUBGやCS:GOといった人気ゲームなど、多くの大会に用いられているほか、プロゲーマーでも愛用しているユーザーは多い。つまりZOWIEのモニターを使うことで、 “プロと同じ環境” が手に入るわけだ。
なお、記者はゲームショウで展示機を少し触ってみたが、「確かに滑らかだな」と感じるくらいで、それが “勝つ” ことにどれだけ寄与するか、実感がわかなかった。同じように店頭で試しに触ってみて、いまいち効果のわからなったという方もいるのではないだろうか。しかし実際に使ってみると、驚くほどに勝てる。これは、普段の環境で実際に使ってみて、はじめて分かることといえる。
■敵の動きが見える、撃てば当たる
タイトルは、日ごろプレイしているFPSゲーム「Rainbow Six Siege」をまずは試してみた。5対5でチームを組み、防衛側と攻撃側でポイントを競い合うゲームだ。
プレイを始めてすぐに気がついたのが、エイミング(銃の照準をマウスで合わすこと)が圧倒的にやりやすいこと。いつもは出会い頭ですぐに撃たれ、何もできずに負けてしまう場面であっても、 “撃たれる前に撃つ” ができてしまう。
高リフレッシュレートのモニターでは、映像が滑らかに見えるのは、先にご紹介したとおり。これによって、近距離の激しい撃ち合い、敵の飛び出し、後ろから敵が来て振り向くといった、動きが早くて大きいシーンであっても、敵の動きが目で追いやすいのだ。
素早い動きでも目で追えるならと、スピード感のある人気バトルロイヤルゲーム「Apex Legends」も試してみた。
このゲームは至近距離で撃ち合うことも多く、左右に動いたりジャンプをしながらの銃撃戦になることも度々あるが、このような場合でも相手がくっきりとしている。これまでは、 “撃っても当たらない” と感じていたのだが、やはり不思議なほど命中してくれる。
試しに、いままで使ってきた60fpsに落とすと、パラパラ漫画のように見えてしまうほどで、とても撃ちにくい。またゲーミングモニターの入門モデルで主流の144Hzにも設定してみたが、240Hzを体感したあとだと、滑らかさが物足りない。とはいえ60fpsに落としたときほど差は大きくなく、予算的に厳しければ、144Hzでも十分に満足できると感じた。
また、ゲーミングモニターならではの映像の滑らかさもさることながら、フレーム間に黒を挿入することで残像を低減するという、ZOWIEの独自機能「DyAc+」が効果絶大だった。
頭を狙うヘッドショットはダメージも高いため、上手な人はここを狙うのだが、当てる面積が狭いので撃ちにくい。また、銃を撃ったときの反動(リコイル)で、画面全体が細かくブレてしまう。そういった場合でもDyAc+をオンにすることで、輪郭やテクスチャーがブレずにくっきりと表示されるので、圧倒的に狙いやすくて驚いた。
記者はApex Legendsでは勝てなくて引退してしまった一人なのだが、ここまで撃ち勝てるとなると、楽しくなってくる。モニターをゲーミングにしただけで「ここまで変わるとは思わなかった」というのが正直なところだ。
今回はPCで検証したが、PCでは高いリフレッシュレートを出すために、ある程度のスペックが必要になってしまうデメリットもあるため、最初にPCを購入するときは、しっかりとスペックを考えたい。一方で、PS5との組み合わせでは、Rainbow Six Siegeやフォートナイトなど、対応タイトルが120fpsで楽しめる。
またオーディオでは、耳に近いところから変えていくと効果が大きいと、よく言われる。イヤホンやヘッドホン、スピーカーがこれに当てはまるが、ゲーミングで最後のアウトプットを担うのは、視覚面ではモニターだ。
ゲーミングPC環境を構築するときは、ゲーミングPCのスペックや、マウスやキーボードといった手に触れる部分がつい気になってしまう。しかし、ゲーミングモニターによる効果が大きいということが、実際に試してわかった。
“勝ちたい” もしくは “勝てない” と感じているユーザーは、ゲーミングモニターをぜひ試してみてほしい。