公開日 2022/06/24 06:30
【第16回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
映画アドバイザーが推す週末サブスクこの1本。『セッション』
ミヤザキタケル
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数ゆえに、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2015年の公開作『セッション』をご紹介します!
◇
『セッション』(2015年・アメリカ)
(配信:Hulu dTV)
サンダンス映画祭グランプリ、アカデミー賞助演男優賞など、数々の賞を獲得したデイミアン・チャゼル監督作。名門音楽大学に入学したドラマーのニーマン(マイルズ・テラー)は、伝説の鬼教師フレッチャー(J・K・シモンズ)が率いる校内随一のバンドにスカウトされる。
だが、彼を待っていたのは、異常なまでに完璧を追い求めるフレッチャーの狂気のレッスンであった。もうとにかく鬼・鬼・鬼! 罵詈雑言を浴びせ、暴力も厭わず、意図的に生徒同士を競わせ合い、徹底的にニーマンを追い込み続ける。しかし、飴と鞭の使い方が絶妙で、憎むに憎み切れない面も併せ持ち、結果的には生徒の真価を発揮させることに長けているフレッチャー。現実的に考えたのなら、パワハラ教師だと言うのは容易いが、ニーマンとフレッチャーの壮絶な師弟関係を目の当たりにしていく内に、ある想いが芽生えることだろう。
ここまで何か一つのことに打ち込んだことはあるのかと。自分にとって彼らと同じだけ本気になれるもの、情熱を注ぐことのできるものは何だろうと。愛憎を超越した圧巻のラスト9分19秒、存分とご堪能あれ。同監督の『ラ・ラ・ランド』は観たけど本作は未見という方も、是非!
(C) 2013 WHIPLASH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『セッション』(2015年・アメリカ)
(配信:Hulu dTV)
サンダンス映画祭グランプリ、アカデミー賞助演男優賞など、数々の賞を獲得したデイミアン・チャゼル監督作。名門音楽大学に入学したドラマーのニーマン(マイルズ・テラー)は、伝説の鬼教師フレッチャー(J・K・シモンズ)が率いる校内随一のバンドにスカウトされる。
だが、彼を待っていたのは、異常なまでに完璧を追い求めるフレッチャーの狂気のレッスンであった。もうとにかく鬼・鬼・鬼! 罵詈雑言を浴びせ、暴力も厭わず、意図的に生徒同士を競わせ合い、徹底的にニーマンを追い込み続ける。しかし、飴と鞭の使い方が絶妙で、憎むに憎み切れない面も併せ持ち、結果的には生徒の真価を発揮させることに長けているフレッチャー。現実的に考えたのなら、パワハラ教師だと言うのは容易いが、ニーマンとフレッチャーの壮絶な師弟関係を目の当たりにしていく内に、ある想いが芽生えることだろう。
ここまで何か一つのことに打ち込んだことはあるのかと。自分にとって彼らと同じだけ本気になれるもの、情熱を注ぐことのできるものは何だろうと。愛憎を超越した圧巻のラスト9分19秒、存分とご堪能あれ。同監督の『ラ・ラ・ランド』は観たけど本作は未見という方も、是非!
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ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、渋谷クロスFM・Voicy・各種WEB・雑誌・メディア等で映画を紹介。イベント登壇、映画祭審査員、映画のカメオ出演、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |
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