公開日 2024/01/19 15:29
配信サービス隆盛の時代にどう生き残るか
大手量販店の店舗から消えたDVD/BD。ディスクメディアの行く末を考える
編集部:押野由宇
ビックカメラ有楽町店が、1月14日をもってDVDおよびブルーレイソフトの店舗販売を終了した。家電量販店大手の旗艦店の取り組みに対し、ユーザーからは様々な声が上がっている。
今年に入りビックカメラ有楽町店で撮影された写真がX(旧Twitter)でポストされ話題を呼んだ。そこには1月14日(日)をもって、同点におけるDVD/ブルーレイソフトの取り扱いを終了することになった旨が記された張り紙が写されていた。
本日1月19日時点でも、エスカレーターを上がって4Fに到着してすぐに目に入る位置に、この紙が掲示されている。
あわせて、取引終了前に予約・取り寄せした商品については同店で販売することも記載しており、店舗にはソフトの売り場こそないものの、2月28日に発売される『THE FIRST SLAM DUNK』については、「詳しくは販売員までお問い合わせください」のアナウンスとともに展示されていた。
今回の店舗での取扱終了についてビックカメラ広報に問い合わせたところ、「これまで有楽町店のDVD/ブルーレイソフトをご利用頂いておりましたお客様には、インターネット通販サイト『ビックカメラ・ドットコム』をご案内しております。今後もお客様のご要望に応えられる店舗を目指して参りますので、これまで同様のご愛顧を頂けますと幸いです」との回答が得られた。
実際に、店舗の紙にも「CD・DVD・ブルーレイソフトはオンラインショップでも販売しております」と案内されており、オンライン販売に軸足を移していくことが見て取れる。
現時点で都内のビックカメラ全店舗が同時に取り扱いを終了したわけではない。だが、旗艦店である有楽町店で実施するという判断には、その成果如何によっては他店舗にも広がることが考えられる。
これには、動画配信サービスの普及による影響が確実にあるだろう。各サービスが競い合うように配信コンテンツの数を増やし、オリジナル作品の制作に巨額を投じている。配信サービス上でのレンタルを含めれば、パッケージを購入せずとも視聴することができる環境はかなり整った。
もちろん、ディスクメディアには価値がある。すべてのコンテンツが配信されているわけではなく、また配信はいつ終了するか分からない。契約次第では1ヶ月後に見られなくなり、視聴するために追加費用が必要になる可能性もある。
高画質・高音質のバージョンはUltra HD ブルーレイの形式でしか手に入らず、配信ではフルHD画質まで、といったケースもある。いくつかのサービスを契約していれば、いずれかは高画質配信を行っていることもあるが、必ずではない。絶対にこの作品は最高の状態でいつでも見られるようにしておきたい、と考えるのであれば、ディスクメディアで購入した方が良いだろう。また、ネットワーク環境のクオリティに左右されず、信号のビットレートなどを安定した状態で楽しめるのもディスクメディアならではのメリットと言える。
ただ繰り返しになるが、配信サービスの隆盛によりディスクメディアが劣勢に立たされているのは間違いない。再生環境についても、テレビ自体がOSを搭載し、直接配信サービスを再生できるようになった。ストリーミングデバイスも、高性能なものがかなり安価に手に入る。ひと昔前は多くの家庭に、ディスクメディアを再生する手段(プレーヤーやゲーム機)があったが、それも状況が変わってきている。
メーカーもそれをただ眺めているのではなく、パッケージには特典をつけて販売するなど、様々な手段を講じている。また度々、物流についても取り沙汰されるが、コロナ禍を経てオンラインからの購入に多くのユーザーが移行したこともあるだろう。あくまで店舗での取り扱いから、オンラインに売り場を変えただけであり、その他の家電量販店やショップも、ECサイトに力を入れている。たとえば渋谷TSUTAYAも店舗でのレンタルを終了したが、ネット宅配レンタルサービス「TSUTAYA DISCAS」で取り扱いは継続する。
さて、すでにディスクメディアの終焉が近づいてきているのだろうか。アナログレコードがリバイバルするように、ディスクメディアもレトロなアイテムとして扱われる段階なのだろうか。まだそう考えるには早いだろうが、このままではそう遠く未来の話ではないように思える。
これも繰り返しになるが、ディスクメディアには配信とはまた違う価値がある(と信じている)。配信時代と共存していくための、ディスクメディアのあり方とは。1ファンとしても、それを見つけていきたい。
■ビックカメラ有楽町店からDVD/BDが消えた
今年に入りビックカメラ有楽町店で撮影された写真がX(旧Twitter)でポストされ話題を呼んだ。そこには1月14日(日)をもって、同点におけるDVD/ブルーレイソフトの取り扱いを終了することになった旨が記された張り紙が写されていた。
本日1月19日時点でも、エスカレーターを上がって4Fに到着してすぐに目に入る位置に、この紙が掲示されている。
あわせて、取引終了前に予約・取り寄せした商品については同店で販売することも記載しており、店舗にはソフトの売り場こそないものの、2月28日に発売される『THE FIRST SLAM DUNK』については、「詳しくは販売員までお問い合わせください」のアナウンスとともに展示されていた。
今回の店舗での取扱終了についてビックカメラ広報に問い合わせたところ、「これまで有楽町店のDVD/ブルーレイソフトをご利用頂いておりましたお客様には、インターネット通販サイト『ビックカメラ・ドットコム』をご案内しております。今後もお客様のご要望に応えられる店舗を目指して参りますので、これまで同様のご愛顧を頂けますと幸いです」との回答が得られた。
実際に、店舗の紙にも「CD・DVD・ブルーレイソフトはオンラインショップでも販売しております」と案内されており、オンライン販売に軸足を移していくことが見て取れる。
現時点で都内のビックカメラ全店舗が同時に取り扱いを終了したわけではない。だが、旗艦店である有楽町店で実施するという判断には、その成果如何によっては他店舗にも広がることが考えられる。
■避けられない映像配信サービスの影響
これには、動画配信サービスの普及による影響が確実にあるだろう。各サービスが競い合うように配信コンテンツの数を増やし、オリジナル作品の制作に巨額を投じている。配信サービス上でのレンタルを含めれば、パッケージを購入せずとも視聴することができる環境はかなり整った。
もちろん、ディスクメディアには価値がある。すべてのコンテンツが配信されているわけではなく、また配信はいつ終了するか分からない。契約次第では1ヶ月後に見られなくなり、視聴するために追加費用が必要になる可能性もある。
高画質・高音質のバージョンはUltra HD ブルーレイの形式でしか手に入らず、配信ではフルHD画質まで、といったケースもある。いくつかのサービスを契約していれば、いずれかは高画質配信を行っていることもあるが、必ずではない。絶対にこの作品は最高の状態でいつでも見られるようにしておきたい、と考えるのであれば、ディスクメディアで購入した方が良いだろう。また、ネットワーク環境のクオリティに左右されず、信号のビットレートなどを安定した状態で楽しめるのもディスクメディアならではのメリットと言える。
ただ繰り返しになるが、配信サービスの隆盛によりディスクメディアが劣勢に立たされているのは間違いない。再生環境についても、テレビ自体がOSを搭載し、直接配信サービスを再生できるようになった。ストリーミングデバイスも、高性能なものがかなり安価に手に入る。ひと昔前は多くの家庭に、ディスクメディアを再生する手段(プレーヤーやゲーム機)があったが、それも状況が変わってきている。
■オンラインを舞台にディスクメディアは生き残ることはできるか
メーカーもそれをただ眺めているのではなく、パッケージには特典をつけて販売するなど、様々な手段を講じている。また度々、物流についても取り沙汰されるが、コロナ禍を経てオンラインからの購入に多くのユーザーが移行したこともあるだろう。あくまで店舗での取り扱いから、オンラインに売り場を変えただけであり、その他の家電量販店やショップも、ECサイトに力を入れている。たとえば渋谷TSUTAYAも店舗でのレンタルを終了したが、ネット宅配レンタルサービス「TSUTAYA DISCAS」で取り扱いは継続する。
さて、すでにディスクメディアの終焉が近づいてきているのだろうか。アナログレコードがリバイバルするように、ディスクメディアもレトロなアイテムとして扱われる段階なのだろうか。まだそう考えるには早いだろうが、このままではそう遠く未来の話ではないように思える。
これも繰り返しになるが、ディスクメディアには配信とはまた違う価値がある(と信じている)。配信時代と共存していくための、ディスクメディアのあり方とは。1ファンとしても、それを見つけていきたい。
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