公開日 2024/11/08 06:30
【第140回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
神木隆之介主演!学生時代のヒエラルキーが鮮明によみがえる青春群像劇
ミヤザキタケル
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2012年公開の『桐島、部活やめるってよ』をご紹介します!
◇
『桐島、部活やめるってよ』(2012年・日本)
(配信:Amazon Prime Video Netflix U-NEXT Hulu )
早稲田大学在学中に小説家デビューし、小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウのデビュー作を、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『紙の月』『騙し絵の牙』などで知られる吉田大八監督のメガホンで映画化。ある日、バレーボール部のキャプテン・桐島が部活をやめるというニュースが学校中を駆け巡る。何も聞かされていなかった親友の宏樹(東出昌大)や恋人の梨沙(山本美月)、同じバレーボール部の久保(鈴木伸之)に小泉(仲野太賀)、バレーボール部の隣で練習をするバドミントン部のかすみ(橋本愛)に実果(清水くるみ)、そして、桐島とは何の接点も持たない映画部の前田(神木隆之介)。桐島の退部を発端にそれぞれの人間関係が変化していく中、自主映画の撮影に勤しむ前田たち映画部であったが……。
大人になり社会へ出てしまえば取るに足らないことであっても、その取るに足らないことこそが何よりも重要であった学生時代。人によって歩んできた道はそれぞれに異なるが、劇中の登場人物たちの姿を通して、あの頃築かれていたヒエラルキーや、自身がどの階層に属していたか、何に重きを置いて生きていたかなど、学生時代に抱いていたであろうさまざまな葛藤の数々が呼び覚まされる。同じ1日を異なる時間、各々の視点で描いていくことで具体化していく桐島という人間の輪郭に、それぞれの人間関係。どの人物に深く感情移入できるかは、あなたが過ごした高校時代によるところが大きいが、各階層の人物を描いているため、誰か1人には深く寄り添えてしまうに違いない。
そして、当時のあれこれを俯瞰で捉えられるであろう “今” だからこそ、別階層の人物にも寄り添える余地がきっとある。そうして各階層の人物たちが一同に介するラストシーン。あなたの心は一体何を感じることになるだろう。冒頭のあらすじに記したキャストに加え、松岡茉優、大後寿々花、落合モトキ、浅香航大、前野朋哉など、今も第一線で活躍する俳優の若かりし頃やブレイク前の姿を見られる点にもご注目!
(C)2012「桐島」映画部 (C)朝井リョウ/集英社
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『桐島、部活やめるってよ』(2012年・日本)
(配信:Amazon Prime Video Netflix U-NEXT Hulu )
早稲田大学在学中に小説家デビューし、小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウのデビュー作を、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『紙の月』『騙し絵の牙』などで知られる吉田大八監督のメガホンで映画化。ある日、バレーボール部のキャプテン・桐島が部活をやめるというニュースが学校中を駆け巡る。何も聞かされていなかった親友の宏樹(東出昌大)や恋人の梨沙(山本美月)、同じバレーボール部の久保(鈴木伸之)に小泉(仲野太賀)、バレーボール部の隣で練習をするバドミントン部のかすみ(橋本愛)に実果(清水くるみ)、そして、桐島とは何の接点も持たない映画部の前田(神木隆之介)。桐島の退部を発端にそれぞれの人間関係が変化していく中、自主映画の撮影に勤しむ前田たち映画部であったが……。
大人になり社会へ出てしまえば取るに足らないことであっても、その取るに足らないことこそが何よりも重要であった学生時代。人によって歩んできた道はそれぞれに異なるが、劇中の登場人物たちの姿を通して、あの頃築かれていたヒエラルキーや、自身がどの階層に属していたか、何に重きを置いて生きていたかなど、学生時代に抱いていたであろうさまざまな葛藤の数々が呼び覚まされる。同じ1日を異なる時間、各々の視点で描いていくことで具体化していく桐島という人間の輪郭に、それぞれの人間関係。どの人物に深く感情移入できるかは、あなたが過ごした高校時代によるところが大きいが、各階層の人物を描いているため、誰か1人には深く寄り添えてしまうに違いない。
そして、当時のあれこれを俯瞰で捉えられるであろう “今” だからこそ、別階層の人物にも寄り添える余地がきっとある。そうして各階層の人物たちが一同に介するラストシーン。あなたの心は一体何を感じることになるだろう。冒頭のあらすじに記したキャストに加え、松岡茉優、大後寿々花、落合モトキ、浅香航大、前野朋哉など、今も第一線で活躍する俳優の若かりし頃やブレイク前の姿を見られる点にもご注目!
(C)2012「桐島」映画部 (C)朝井リョウ/集英社
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ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |
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