公開日 2024/12/06 06:30
【第144回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
安田顕×榮倉奈々!死んだふりを続ける妻と夫が迎えた「結婚3年目の危機」の結末とは…
ミヤザキタケル
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2018年公開の『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています』をご紹介します!
◇
『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています』(2018年・日本)
(配信:Amazon Prime Video U-NEXT Hulu )
「Yahoo!知恵袋」発のコミックエッセイを、数々のバラエティ番組や映画『デトロイト・メタル・シティ』『私はいったい、何と闘っているのか』などを手がける李闘士男監督のメガホンで映画化。結婚して3年目を迎えたじゅん(安田顕)とちえ(榮倉奈々)。ある日、じゅんが仕事から帰ると、ちえが口から血を流して倒れていたのだが、それはケチャップを用いた死んだふりであった。その日を境に、ワニに食べられたり、矢が刺さったり、ありとあらゆる手段で死んだふりをし続けるちえ。妻の奇行の理由も分からず戸惑うじゅんであったが……。
新婚時のような熱は冷め、相手の嫌なところも目につくようになり、結婚生活もマンネリ化し始める。そんな倦怠期に入り始める時期を指して、「結婚3年目の危機」という言葉がある。数字の上では今まさにその期間に突入し始めたじゅんとちえ。正直なところ、作品自体のクオリティは決して高いとは言い難いのだが、延々と死んだふりを続ける妻と、妻の真意を探ろうと奮闘する夫の姿を通して、多くを考えるキッカケを得られるのが本作の良いところ。劇中において、何故ちえが死んだふりをし続けるのかという理由については明示されないまま幕を閉じる。
中には不完全燃焼に感じる方もいるかもしれないが、そこで導き出される自分なりの答えにこそ価値がある。無論、正解・不正解を問う必要はなく、私の場合、いつか訪れるその日が本当に来たときに、僅かでもその痛みを和らげてあげたいという妻の想いであると思うのだが、あなたの心はどのような答えを導き出すことになるだろう。是非、ご自分の目と心でお確かめください。
(C) 2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています』(2018年・日本)
(配信:Amazon Prime Video U-NEXT Hulu )
「Yahoo!知恵袋」発のコミックエッセイを、数々のバラエティ番組や映画『デトロイト・メタル・シティ』『私はいったい、何と闘っているのか』などを手がける李闘士男監督のメガホンで映画化。結婚して3年目を迎えたじゅん(安田顕)とちえ(榮倉奈々)。ある日、じゅんが仕事から帰ると、ちえが口から血を流して倒れていたのだが、それはケチャップを用いた死んだふりであった。その日を境に、ワニに食べられたり、矢が刺さったり、ありとあらゆる手段で死んだふりをし続けるちえ。妻の奇行の理由も分からず戸惑うじゅんであったが……。
新婚時のような熱は冷め、相手の嫌なところも目につくようになり、結婚生活もマンネリ化し始める。そんな倦怠期に入り始める時期を指して、「結婚3年目の危機」という言葉がある。数字の上では今まさにその期間に突入し始めたじゅんとちえ。正直なところ、作品自体のクオリティは決して高いとは言い難いのだが、延々と死んだふりを続ける妻と、妻の真意を探ろうと奮闘する夫の姿を通して、多くを考えるキッカケを得られるのが本作の良いところ。劇中において、何故ちえが死んだふりをし続けるのかという理由については明示されないまま幕を閉じる。
中には不完全燃焼に感じる方もいるかもしれないが、そこで導き出される自分なりの答えにこそ価値がある。無論、正解・不正解を問う必要はなく、私の場合、いつか訪れるその日が本当に来たときに、僅かでもその痛みを和らげてあげたいという妻の想いであると思うのだが、あなたの心はどのような答えを導き出すことになるだろう。是非、ご自分の目と心でお確かめください。
(C) 2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |
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