iPhoneの牙城を崩せるか
世界市場を狙うソニーエリクソン「Xperia」 − 商品企画担当者が語る製品コンセプトと今後の展開
■OSアップデートが比較的容易なAndroid環境
西村:ここまで紹介した、Timescape、Mediascape、強力なハードウェア、そしてデザインが、Xperiaの中核となる4つのフィーチャーです。またAndroidの利点として、OSやソフトのアップデートが比較的容易なことも挙げられます。
一条:OSのアップデートについてですが、XperiaのOSのバージョンは発表時点で1.6です。これを2.0にするというようなことはお考えですか?
西村:はい。現在、実際にドコモさんと協議中で、両社とも前向きに検討中です。
一条:最近、2.0以上のデバイスが市場で増えてきていますからね。
西村:先行のOSは、Googleの戦略もあって、Googleと共同開発しているような先行のデバイスで出すというのがあるんです。
一条:先行のデバイスとは、Nexus OneやモトローラのDroidのようなものですか?
西村:たとえば、そういうものです。それによってOSの成長を牽引していくことと、OSをこなれたものにしていくというのは、我々のビジネスにとっても良いことです。
一条:OSをアップデートした場合、アプリケーションの互換性という部分で問題はないですか?
西村:そこが我々メーカーを悩ませるところでもあります。基本的に手を入れれば入れるほど、互換性を保つのが難しくなります。ただ、Googleさんは基本的にはオープンな考えで、Googleのほかのサービスもそうですが、互換性という部分で非常に気を遣っています。
我々メーカーサイドからAndroidを見た場合、どこを使って、どこを使わないかという判断は非常に重要になってくると思います。全部に手を入れると、結局、その部分が少しでも変わると、お客さんにとっては使い勝手も変わってしまうかも知れないし、Googleのサービスが突然、1つ停止するようなことになった場合にもご迷惑をおかけすることになります。開発時に「やること」と「やらないこと」のバランスをとることが大事になってきます。
今回のXperiaではコンセプトがコミュニケーションエンターテイメントであり、それ以外の部分は、Googleさんが提供するAndroidの共通仕様のままの部分も多分にあります。たとえば、Androidマーケットの部分などは一切手を入れていません。
手を入れているのは、Mediascapeの部分、Timescapeの部分、そして、我々の世界観といえるディスプレイなどのハードウェアなどです。
一条:4月発売ということですが、この時点でOS2.0以降にバージョンアップして発売というのはあり得ますか?
西村:それは時間的に難しいですね。できるとしても、それ以降になると思います。