安蔵靖志氏が“真の姿”に迫る
「nasne」は何故誕生した?何ができる?将来展望は? − 開発陣直撃インタビュー
2010年3月に発売したtorneは地デジチューナー1基のみのため、BS・CS放送に対応して欲しいという声や、ダブルチューナー、トリプルチューナーが欲しいという声がユーザーから上がっていたという。
「USBチューナーをBS・CS対応させるという方法もあった。だがPS3の処理能力や拡張性を考えると、決して適切ではない。どういうやりかたがソリューションとして拡張性を持ち、しかもチャレンジングなところを見せられるのか。それならば、今までと全く違う考え方でものを作った方がいいということになった」(渋谷氏)
そんな時に、ソフトウェアソリューション開発部2課の水野公嘉氏から「NAS(ネットワーク接続ストレージ)にチューナーを付けたらいいのではないか」というアイデアが出てきたという。
「(録画・視聴アプリ)torneのUI(ユーザーインターフェース)を損なわなければ、チューナーもHDDもどこにあってもいい。それを共有できる環境をいかにしっかり作っていくかという方向に舵を取った」(渋谷氏)
ちなみにnasneのネーミングは「NAS」をもじったものだという。
「NASにチューナーやレコーダー、サーバーの機能が入り、torneアプリでコントロールするのなら、『nasne』でいいんじゃないか、という発想だった」
200種類以上のネーミング候補が出されたが、「最終的に開発コードで呼んでいた『nasne』に落ち着いた。呼びやすいし、torneとの親和性もある」と渋谷氏は語る。
■torneと同等の操作性とレスポンスを実現
レコーダーをネットワークに接続し、録画した番組を家庭内LAN経由で視聴するというのは、かなり一般的になった機能だ。だがネットワーク速度や機器の処理速度によってはタイムラグが気になる場合もある。特にネットワーク上のチューナーを利用してテレビを視聴する場合は顕著だ。
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