「f」にはどんな意味が?「Xperia Z Ultra」の国内展開は?
「Xperia Z1 f」開発者インタビュー − “プレミアムコンパクトモデル”誕生の背景に迫る
■Xperiaシリーズの商品構成はこれからどうなる?
絶対的なフラグシップが出来たことで、Xperia全体の商品構成もバランスが取れるようになるという黒住氏。「作る側にとっては目標になり、ユーザが商品を理解しやすくなる効果もあります」
ミドルやローエンドのモデル展開については「フラグシップを起点にどれくらい多くのモデルを揃えるべきかについては、マーケットの性格やカスタマーニーズによっても変わってきます。日本の場合、大手通信キャリアが現在はどちらかと言えばラインナップを絞り込む方向にビジネスを持って行きつつあるので、今後も多くてワンシーズンに3種類ぐらいの価格帯で展開することが、日本のマーケットに合った形ではないかと考えています。ソニーとしてはこの傾向を無理に変えるつもりはありません。ユーザーニーズに合ったベストの商品を精査しながら、ラインナップ展開していくつもりです」と説明を加える。
一方、Xperiaシリーズのグローバル展開については、シリーズのブランディング、ならびにフラグシップモデルの存在とユーザー体験は一本筋を通しながら、一方では市場ごとに異なる特性を調べながら、撃つべき戦略をエリアごとに変えていく必要があると述べる。
ところで6.4インチの大画面モデルである「Xperia Z Ultra」の国内展開は有り得るのだろうか。黒住氏に訊ねた。
「海外のマーケットから本機の投入を始めてから、ユーザーから様々な興味深いフィードバックが寄せられています。本機を発表した際にも申し上げていたことですが、“Ultra”という言葉には実験的な意味が込められています。実験して使い捨てるという意味でなく、これまでにない大型サイズの“新しいカテゴリーのスマートフォン”であるがゆえに、マーケットに投入すれば大きなインパクトが与えられる市場創出型の商品になることを期待していました。大型サイズの“ファブレット”が市場でどのような受け止められ方をするのか、現在反響を確かめているところです。日本での販売に関しては、もしユーザーが付いてくるのであればやりたいとは思っていますが、通信キャリアに関心を持っていただく必要もあります。当社としては慎重に動向を見ながら検討していくつもりです」(黒住氏)
ソニーでは腕時計型アクセサリー“SmartWatch”シリーズなど、スマートフォン周辺のアクセサリー製品の開発にも力を注いでいる。ソニーのスマートデバイス全体のビジネス戦略はどこへ向かおうとしているのだろうか。