開発のキーマンに製品の狙いと背景を訊く
【CES】「スマートウェア」は「つけ爪」のようなもの − ソニーモバイル黒住氏に訊く新デバイスの詳細
そもそも「スマートウェア」とは何なのか。「スマートフォンとソフトウェアを組み合わせた造語なの?」などとよく言われますが、その通りです。私の思いつきみたいな言葉なのですが、実は私は本当に思いつきで動いている人間なんですよ。
今のソニーは幸運なことにCEOの平井の下、思いつきというと言葉は悪いですが、「いいんじゃない?」と思ったことを素直に商品にできる、形にできる環境が整いつつあるんです。
スマートウェアもまったく同じで、人が身につけて、人間の生活のちょっとした延長のところで、それを持つことで何か生活をより豊かにできるのではないか、それを目指したことをやってみようよ、という発想です。
それをわかりやすくしたときに、言葉として、それは「スマートネス」だよねということだったのです。身につけるための「ウェア」というのと、ソフトウェアの処理をするという「ウェア」の2つの意味がかかって「スマートウェア」としました。
今回、ソニーではあえて「ガジェット」という言葉を使っています。本体は本当にコンパクトで、まるでつけ爪なんです。ものづくりとして、そのぐらいの距離感で今までの技術を使ったらどうなるんだろう、という発想の下に開発しました。
■「各社とも見ている方向は似ている」
内部は本当にシンプルです。低消費電力のBluetoothであったり必要最低限のバッテリーであったり、センサーと言っても加速度計ぐらいです。ボタンが1つにLEDも3つ光るだけ。あとはバイブレーションくらいでしょうか。華美にするのではなく、本当にちょっとしたもので、どれだけ人の生活を豊かにできるだろうかという考え方ですね。