開発のキーマンに製品の狙いと背景を訊く
【CES】「スマートウェア」は「つけ爪」のようなもの − ソニーモバイル黒住氏に訊く新デバイスの詳細
今回のスマートウェアも、首からぶら下げたい人もいれば、腕時計みたいにしたい人もいるかもしれません。そうしたときに、核となるものがきちんとあれば、人それぞれにあった形を実現できるわけです。
開発チーム内には、時計が大好きなために「時計とこれと2個つけるのは面倒」という理由でリストバンド形状に反対した人間もいます。そんなときに、「腕時計のバンドにスマートウェアのコアをつけてみたらどうか」と考えたりするわけです。そういう感じだとその腕時計好きなスタッフも「それならいいかな」と納得してくれました。
こうしたこともあり、どんな技術を搭載するかなどバランスをとりながら機能を削ぎ落とし、できるかぎりシンプルに、小型化していろいろなものに装着できるような脱着式を採用しました。
一点、この製品のマイナスをあえて挙げるとすれば、文字が入っていることでしょうか。規格や法的な縛りがあるためしかたがないのですが、指輪などのアクセサリーにはこういう文字はありません。こういう商品では、今後、指輪や服みたいな視点でユーザー・エクスペリエンスを考えないといけない、そういう新たなフェーズに入り始めていると考えています。これが、私がスマートウェアに対して持っている考えです。
バルセロナ(World Mobile Congress。以下WMC)ではもう少し踏み込んだところを発表させていただきたいと思っています。
例えばライフログアプリケーションにしても、見てわかるように「まだあまり動いてなさそうだな」と感じられたと思うんですが、そのとおりで、まだまだベータ…いや、アルファくらいの段階です。
私自身も年末に使っていましたけど、まだまだバグだらけなところもあるという感じですので、評論家の方々などにお渡しして評価していただけるところまでは来ていないという感じです。
たとえば、今はとりあえず「リストバンド型」と呼んでいますが、これをどう呼ぶかなどもちゃんとは定まっていません。WMCの頃には、発売時期など色々と明確にご説明できるようになるのではないかと思います。