開発のキーマンに製品の狙いと背景を訊く
【CES】「スマートウェア」は「つけ爪」のようなもの − ソニーモバイル黒住氏に訊く新デバイスの詳細
まず最初に、我々が見ている世界の「現在」だけではなく「未来」と「過去」をどうビジュアライズしていくかという部分です。我々のライフログアプリでは、単純に棒グラフなどで振り返るだけじゃ面白くないだろうと、人が歩いているアニメーションによって生活をビジュアライズするなど、色々と工夫をこらしています。
また、ログを集めるために、どうしても先に来るのがケース、つまり用途です。「スポーツ」ですか?「ヘルス」ですか?ということですね。例えば、よく眠れたか、とか、よく運動しているかなどです。もちろん、それは重要だと思いますが、しかし、それだけだと生活のなかのごく一部しか見られていないのではないでしょうか。
特に現代は、インターネットが普及し、スマートフォンでもソーシャル・ネットワークができる、という時代になりました。そんななかで、日々の生活のすべてがソーシャル・ネットワークの「ソース」になるのではないでしょうか。
■自分にとっての感動の「いいね」
例えば、スマートバンドにボタンを搭載させた点も我々のこだわりのひとつです。これは今日の生活のなかで自分が「いいね」と思ったことをブックマークしておきたいというボタンなんです。
FaceBookって、私は「距離がある」と感じているんです。Facebookでは、私がアップしたものに対して、友人たちから「いいね」が押される。Facebookを使う人はそれを期待しています。
でも、私からすれば、その記事や写真は「いいね」っていう「自分の」小さい感動もあるわけです。例えば、道端に花が咲いていて、それを写真に撮ったりしたときに、その写真を撮るのは自分のなかに「いいね」という感動があるからだと思います。