「小型で音も良いプレーヤーを目指した」
Lotooのシャオ氏に聞く、新ハイレゾDAP「PAW5000」開発のねらい
ーーー機能の中で異色なのは「スポーツ」モードと呼ばれているテンポフリー機能です。
シャオ氏:私自身、よくランニングをするのですが、聴く曲と走る速さのテンポ感が合わないと心地よくないわけです。曲の音程や音色を変えずにテンポの速さだけを変えることができるこの機能は、まさにそこにフィットします。PAW5000にはアームバンドも付属しますのでぜひ走ってみてください!
ーーーいくつかの機能から選んで動作を割り当てられる「Fn」ボタンでテンポフリーモードを呼び出してホイールで速さを変えるという一連の操作もスムーズです。音楽や語学の練習にも便利そうですね。
シャオ氏:PAW5000のために新たに開発したプログラムで自然さを保ったままのテンポチェンジを実現していますので、ぜひ活用してください。
ーーー音質面での方向性はいかがでしょう?先日少し聴かせていただいた印象では、PAWGoldと比べても一般論としても、よい具合に柔らかく暖かな雰囲気に思えました。空気感の豊かさはPAWGoldに通じますが、その空気が和らいでいるというか。それは意図的にそうしてあるのでしょうか?
シャオ氏:はい。ずっと聴き続けるのになじみやすい音作りにしています。最初にお話ししたように、毎日使ってもらいたいモデルだからです。PAWGoldは細やかな表現がもっと際立ちますよね。でもそれと同じ方向性で同じレベルの音を出そうとすると例えば電力の消費も高くなるので、小型化との両立は難しいんです。
ーーーそして気になるのは「ダンプ」スイッチです。
シャオ氏:ハイの状態でノーマル、ローにすると終段でカップリングキャパシターを通るようになります。キャパシターを通した音の方が「ラグジュアリー」な感じです。
ーーーハイの状態では、カップリングキャパシターを全く通さないんですか?
シャオ氏:そうです。ローに切り替えたときにはキャパシターが回路になじむまで少しの間ホワイトノイズが目立ちますが、そこはご容赦ください。
ーーーでは最後にお決まりですが、日本市場の印象と日本のユーザーへのメッセージを。
シャオ氏:日本は購入数が多いというシンプルな意味でも、世界でいちばん先進的な市場です。それに世界トップクラスの製品が揃っていてユーザーの選択眼も鍛えられています。そして日本では、音のクオリティが高いものが受け入れられるのです。それは我々が目指しているものと重なります。ですからクオリティの高い製品を提供し続けることで、これからも我々らしくユーザーに応えていきたいと思います。
(インタビュー・構成:高橋敦)