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新製品「Babyface PRO」の開発背景も説明

RMEのポリシーは「データに対して正確な音」。開発者が設計思想を語り尽くす

公開日 2015/08/28 11:40 季刊ネットオーディオ編集部
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“データに対して正確な音”こそRMEのサウンドポリシー

― 流行に流されず、長く使うことができるデバイスである理由は、こうした部分も大きく関係しているのですね。その一方で、iOSデバイスにドライバなしで接続できるクラス・コンプライアントモードを実装していますが、その理由も気になるところです。

カーステンズ サウンドとしては、PC側のドライバを使用する方が理想的です。対応した理由は、なんてことはないもので、私がiPhoneを使っていたからです。これで動くようにしたいな、と思ったんですよ(笑)。これがきっかけでリナックスでも動作させることが可能になったので、その意味でも私達のデバイスを広めることにつながったと思います。なんでもきっかけは、自分達が使いたいものを作るということなんです

前日に開催された発表会におけるトークセッションの模様

― 非常にユニ―クな理由ですね。RMEのデバイスは「無色透明かつ中立」というのがサウンドポリシーとして語られていますが、それはやはりプロ向けのデバイスということが関係しているのですか?

カーステンズ というよりも、ADであれDAであれ、デジタル信号であれば必ずここを経由してアンプやスピーカーへと出力されるからです。例えば、高域を0.5dB上げると音としての聴こえは良くなるかもしれませんが、それは本当のデータの姿ではありません。「聴こえの良し悪し」ではなく、あくまでデータに対して正確な音、というのがRMEのサウンドです。もちろん、聴感上のテストは考えられる限りの接続で行っています。この場合の聴感上というのは「音の聴こえが」とかそういうことではなくて、あくまでも測定的な意味合いです。基本的にはFPGAでプログラムしているので、「こうなるはずはない」ということや、「計算上では正しいはずなのに、何か見落としていることがないのか」ということを確認する作業となります。

― これまでもRMEの製品はユーザーから確かな評価を獲得していますが、今回そのバッググラウンドのお話をお聞きして他社にはないユニークな部分と、製品開発に関わる真面目さを強く感じることができました。それでは最後に、日本のオーディオファイルの皆様にメッセージをお願いします。

カーステンズ RMEの一番大きな特徴は、音質は当然として動作が安定しているということ、そして長く使えるということです。初期に登場した初代のMultifaceやPCIカードなどでもWindows10をサポートしていることからも分かるように、私達は過去のモデルでも常に最新のドライバを開発し続けています。もちろん、Firefaceシリーズについても、10年後もドライバを開発し続けていきますので、いまと変わらず使っていただけることを約束します。皆様には安心して、RMEの製品を長く楽しんでいただけると嬉しいですし、もし新しいデバイスを使いたくなったら買い替えていただいて、オーディオライフを楽しんでいただければと思います。

ホルトマン 私達は、ウェブサイト上でフォーラムを設けるなどしてユーザーの皆様とコミュニケーションできる環境も用意しております。これは、皆様からの要求に即対応できる環境があるということです。もし私達の機器に対して何かご要望があれば、どんどんお伝えいただければと思います。

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