開発思想や今後の展開も明らかに
JH Audio ジェリー・ハービー氏が語る新イヤホン「Siren Series」の“革新と継承”
去る週末、師走の秋葉原が「ポタフェス2015」で賑わった。イベントで発表された製品の中でもひときわ注目を浴びた製品は、JH AudioとAstell&Kernのコラボによる「Siren Series」の新ユニバーサルインイヤーモニター4モデルだった。
アユートのブースでは新製品のワールドプレミア発表会が催され、大勢の来場者が詰めかけた。今回は新製品紹介のために来日した、ブランドの創始者であるジェリー・ハービー氏にお会いして、4モデルに関するちょっと深い話を伺うことができた。ハービー氏はどんな思いを込めて4つのニューフェイスを作り上げたのだろうか?
なお4つの新製品とは、既存のSiren Seriesの3機種をアップデートした「Layla II」「Angie II」「Roxanne II」、ならびに全くの新製品である「Rosie」だ。各製品の詳しい特徴については、Phile-webの発表会レポートを通読すればよくわかると思うので、併せてチェックして欲しい。
■ボディを大胆にフルメタル化。なのになぜ音のキャラクターが変わらない?
−− 今回、このタイミングで「Siren Series」をアップデートし、さらに新製品も追加した狙いを聞かせて下さい。
ジェリー・ハービー氏(以下:JH):その質問に対して正確に答えるためには、今回発売する製品を個別に詳しく説明する必要があります。まず型番に「II」を冠する製品は、既存モデルからの単純なマイナーチェンジでも、“MK2”として完全に音を変えてしまったイヤホンでもありません。多くのユーザーに支持されているJH Audioのシグネチャーサウンドはそのままに、特殊金属によるフルメタルボディという新しい試みを盛り込んで、ルックスもよりセクシーにリフレッシュしました。
筐体は「フルメタル化」を追求しています。例えば前の「Layla」は本体の素材にカーボンファイバーのシェルとアクリルのノズルを使っていましたが、「Layla II」はシェルとノズルを削り出しのチタニウム合金としています。おそらくイヤホンとして非常に珍しい試みだと思います。ノズルの中に埋め込んだ3本の「STEEL Tube Wave Guide」はステンレス合金、フェイスプレートの素材はカーボンファイバーです。
「Layla」はシリーズの最上位機種ですが、本機と「Angie」についてはオーディオ特性を変えたくありませんでした。なので新しいドライバーを使用していますが、ドライバーの構成や周波数特性も以前のモデルと同じです。どちらのモデルも私が理想とするサウンドを再現していたし、特に「Layla」をこれ以上いい音にはできないと思っています。ただ、フルメタルのボディになったことで、低域を中心とした制振性は一段と高まったかもしれません。
「Roxanne」の本体素材はアクリルのシェルとノズル、カーボンファイバーのフェイスプレートという構成でしたが、新製品では削り出しのアルミをマットブラックに彩色したシェルに、同じくアルミ製のノズルにステンレス合金の「STEEL Tube Wave Guide」を搭載しています。本機についてはサウンドのチューニングに手を入れました。高域を「Layla」のフレーバーに寄せて、よりクリアなチューニングにしています。でも、前のモデルで好評だったロックなテイストは変えていません。
−− これだけ本体の素材を変更したら、音も大きく変わってしまうのではないでしょうか?
JH:ところが「Roxanne II」についてもドライバー構成は前のモデルと同じで、周波数特性も大きく変更していません。ただ、本機もシェルをメタル素材として強靱になったので、低域を中心とした制動力はかなり上がっているはずです。「Layla」のように繊細な高域の再現力と、すごく微細な変化ですが低域はよりソリッドにして、ダブつきを抑えています。
−− ニューフェースとして加わった「Rosie」はいかがですか。
JH:本機については、シリーズの上位機種と同じテイストを持った、より手頃な価格のイヤホンをつくりたいという思いから開発がスタートしました。ベースになったのは「JH 13PRO」というカスタムIEMです。
Rosieは新しく開発したドライバー6基による3ウェイ構成で、特に低域は「JH 13PRO」よりもさらに強化されていますが、シリーズの他の機種と同じく低域のフレーバーを調整できる「Adjustable Bass」を乗せることで、フラットバランスから迫力ある低音まで変化を付けられます。ミッドレンジをマスクしてしまうことのない、透明な低域が持ち味です。航空機グレードのアルミを切削してつくったシェルとノズルをマットブラックに彩色して、フェイスプレートのベゼルには銅メッキ処理をかけています。もちろん「STEEL Tube Wave Guide」の素材はステンレス合金です。
アユートのブースでは新製品のワールドプレミア発表会が催され、大勢の来場者が詰めかけた。今回は新製品紹介のために来日した、ブランドの創始者であるジェリー・ハービー氏にお会いして、4モデルに関するちょっと深い話を伺うことができた。ハービー氏はどんな思いを込めて4つのニューフェイスを作り上げたのだろうか?
なお4つの新製品とは、既存のSiren Seriesの3機種をアップデートした「Layla II」「Angie II」「Roxanne II」、ならびに全くの新製品である「Rosie」だ。各製品の詳しい特徴については、Phile-webの発表会レポートを通読すればよくわかると思うので、併せてチェックして欲しい。
■ボディを大胆にフルメタル化。なのになぜ音のキャラクターが変わらない?
−− 今回、このタイミングで「Siren Series」をアップデートし、さらに新製品も追加した狙いを聞かせて下さい。
ジェリー・ハービー氏(以下:JH):その質問に対して正確に答えるためには、今回発売する製品を個別に詳しく説明する必要があります。まず型番に「II」を冠する製品は、既存モデルからの単純なマイナーチェンジでも、“MK2”として完全に音を変えてしまったイヤホンでもありません。多くのユーザーに支持されているJH Audioのシグネチャーサウンドはそのままに、特殊金属によるフルメタルボディという新しい試みを盛り込んで、ルックスもよりセクシーにリフレッシュしました。
筐体は「フルメタル化」を追求しています。例えば前の「Layla」は本体の素材にカーボンファイバーのシェルとアクリルのノズルを使っていましたが、「Layla II」はシェルとノズルを削り出しのチタニウム合金としています。おそらくイヤホンとして非常に珍しい試みだと思います。ノズルの中に埋め込んだ3本の「STEEL Tube Wave Guide」はステンレス合金、フェイスプレートの素材はカーボンファイバーです。
「Layla」はシリーズの最上位機種ですが、本機と「Angie」についてはオーディオ特性を変えたくありませんでした。なので新しいドライバーを使用していますが、ドライバーの構成や周波数特性も以前のモデルと同じです。どちらのモデルも私が理想とするサウンドを再現していたし、特に「Layla」をこれ以上いい音にはできないと思っています。ただ、フルメタルのボディになったことで、低域を中心とした制振性は一段と高まったかもしれません。
「Roxanne」の本体素材はアクリルのシェルとノズル、カーボンファイバーのフェイスプレートという構成でしたが、新製品では削り出しのアルミをマットブラックに彩色したシェルに、同じくアルミ製のノズルにステンレス合金の「STEEL Tube Wave Guide」を搭載しています。本機についてはサウンドのチューニングに手を入れました。高域を「Layla」のフレーバーに寄せて、よりクリアなチューニングにしています。でも、前のモデルで好評だったロックなテイストは変えていません。
−− これだけ本体の素材を変更したら、音も大きく変わってしまうのではないでしょうか?
JH:ところが「Roxanne II」についてもドライバー構成は前のモデルと同じで、周波数特性も大きく変更していません。ただ、本機もシェルをメタル素材として強靱になったので、低域を中心とした制動力はかなり上がっているはずです。「Layla」のように繊細な高域の再現力と、すごく微細な変化ですが低域はよりソリッドにして、ダブつきを抑えています。
−− ニューフェースとして加わった「Rosie」はいかがですか。
JH:本機については、シリーズの上位機種と同じテイストを持った、より手頃な価格のイヤホンをつくりたいという思いから開発がスタートしました。ベースになったのは「JH 13PRO」というカスタムIEMです。
Rosieは新しく開発したドライバー6基による3ウェイ構成で、特に低域は「JH 13PRO」よりもさらに強化されていますが、シリーズの他の機種と同じく低域のフレーバーを調整できる「Adjustable Bass」を乗せることで、フラットバランスから迫力ある低音まで変化を付けられます。ミッドレンジをマスクしてしまうことのない、透明な低域が持ち味です。航空機グレードのアルミを切削してつくったシェルとノズルをマットブラックに彩色して、フェイスプレートのベゼルには銅メッキ処理をかけています。もちろん「STEEL Tube Wave Guide」の素材はステンレス合金です。