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「ハイレゾロゴ」認定にも変化か

各社バラバラに計測「ヘッドホンのハイレゾ測定法」がついに統一? JEITAの新規格を聞く

公開日 2016/06/10 10:00 山本敦
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規格策定後も残る課題。消費者にはどんなメリットが?

今後JEITAの測定規格が本格始動すれば、共通の基準に従ってヘッドホンやイヤホンのスペックが評価できるようになる。だが、その先にはまだ大きな課題が残されている。

消費者の最大の関心事は、測定方法が共通化されることで、ヘッドホン/イヤホンの「ハイレゾ対応」への信頼性が増すかどうかということだろう。今回のJEITAによる取り組みは、このための一歩として歓迎すべきものだ。

だがメーカーにとってみたら、この測定方法を使わなければならないという強制力はない。せっかく共通の測定方法を作ったのだから、業界の統一基準として普及して欲しいものだが、JEITAだけで規格を普及させることは難しい。

普及促進のためには、日本オーディオ協会のハイレゾロゴ認証に、今回の測定方法が用いられることが望ましい。日本オーディオ協会が認証に際して「JEITA基準で測定」という条件を加えれば、各社の測定方法がバラバラという事態が、比較的早期に解消される可能性がある。

日本オーディオ協会のハイレゾロゴ認証に、今回の測定法が条件として加わることを期待したい

もう一つ、海外メーカーの動向も焦点になる。ハイレゾ対応を謳うヘッドホンやイヤホンの多くが海外メーカー製品である。JEITA規格はあくまで日本国内のメーカーが集まって定めた基準であるため、海外メーカーにこの規格を知らしめ、普及させられるかどうかも大きな課題となる。

JEITAとしては今後、国際標準規格であるIECの土俵に今回規格化した測定方法を提案していく考えだ。原氏は今年度中にも提案するため準備を進めているとしている。

ただしIECにおけるディスカッションには、オーディオメーカー以外にも医学者など、耳に関わる様々な有識者が意見を出すことも予想され、共通ルールが決定されるまでの道のりはまだ長そうだ。



今回JEITAが作った新たな測定方法は、各メーカーのものづくりにどのように活かされるのか、そして本当に消費者のメリットになるのか。今後の展開に注目していきたい。

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