PR評論家・大橋伸太郎氏とマランツ・尾形好宣氏が対談
マランツ「MODEL M1」高評価の理由と開発秘話。「ピュアオーディオの新しい形」誕生の裏側に迫る!
尾形 音に変なクセがなくて使いやすそうだなという部分ですね。もうひとつは、以前のモデルで使ったHypex(ハイペックス)や昨年のアイスパワーは、アナログでオーディオ信号を入力する必要があり、それが小型化とは少し相性がよくなったというのもあります。
製品の筐体サイズを気にしないでいい製品であれば、我々のアンプ技術と組み合わせることによって、その特徴を出せるということでハイペックスやアイスパワーのものを採用してきたのですが、今回はまず本体サイズを小型化するというのがありました。
従来の手法だとどうしても筐体が大きくなってしまってというところがありまして、今回はフルデジタル方式を採用しています。それによって小型でハイパワーを実現できたというのが大きな決め手ですね。
大橋 小型化というキーワードが出ましたけども、再生する音楽ソフトもこの10年ほどでCDやレコードといった物理メディアからストリーミングへと大きく状況が変化しました。いわゆるゼネラルなオーディオに比べると、ハイファイオーディオはその変化への対応がややゆっくりなのかなと思います。
そのストリーミングもハイレゾやロスレスで高音質を保って、生活のなかで黒子化していくと、再生する機器の方もインビジブルな形にしてもいいんじゃないかという考えがあったんじゃないかなと思うんですね。つまり、音楽ソフトの変化がMODEL M1の開発コンセプトに影響した部分もあったのではないかと思うのですが、いかがですか?
尾形 そうですね。「プリメインアップ+ネットワーク機能+外部入力」という機能性で見ると、これまでも「MODEL 40n」や「NR1200」、「STEREO 70s」などを提案させていただいてきてるんですけれども、それらは従来の“オーディオを知っている”層の皆さんが音楽配信のような新しいソースに対応すると考えた時にとっつきやすいように、という切り口だったんじゃないかなと思います。
一方で、今回のMODEL M1に関して言うと、今までのオーディオファン層とはちょっと違う、新たな層に対して提案していきたい商品になってくると思うんですね。
マランツはヘッドホンやイヤホンを展開していませんから、スピーカーで音楽を聴く楽しさみたいなものを味わっていただきたいとなったときに、生活を邪魔しないシンプルなソリューションで、しかも高音質で本物の音を聴くという、新しい切り口の商品なんじゃないかなというふうに思っています。
「音質を優先した小型化」へのこだわり
大橋 小型化に関しては、「フルサイズ(44cm)の半分(22cm)」という数字ありきで開発がスタートしたのでしょうか?
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