シャープ、1ビットデジタルオーディオ新製品発表会を開催
AVシステム事業本部長 濱野稔重氏 / 1ビットデジタルシステム「SD-CX8」 |
1ビットデジタル技術は、超高速サンプリングとΔΣ(デルタシグマ)変調方式により限りなく原音に近い音を再現する事が可能で、従来のアナログアンプに比べ発熱量も少なく、またサイズもコンパクトにまとめる事ができ、省スペース化を実現できる技術。
初めに専務取締役 AVシステム事業本部長の濱野稔重氏より、今後の1ビットデジタル製品の販売方針などについての説明が行われた。同氏によると、1ビットデジタル技術はこれまで高価なものという印象が強かったが、コストダウンをすすめた結果、今ではかなり低価格で生産が可能になったという。そこでシャープは、同社のあらゆるAV製品にこの1ビットデジタル技術を盛り込んでいく考えを持っているという。また、同社のAV戦略の核である液晶テレビ「AQUOS」にも、同様にこの技術を採用していきたいという意向を示している。また、1ビットユニットの外販を行ってゆく予定があることも明らかにした。
次にAVシステム事業本部 オーディオ事業部 副事業部長の益田安夫氏より、1ビットデジタル技術を利用した製品の商品戦略や、今回発売される製品の具体的な紹介が行われた。オーディオ分野のマーケットは1988年に過去最高を記録し、それからは下降に転じてしまっているが、この1ビット技術の拡大により新たな需要を生み出していきたいと益田氏は語り、そのために同社では「1ビット ビッグバン商品戦略」と名付けられた戦略を打ち出したという。この戦略は、ホームオーディオ、ホームシアター、ポータブルMDの3つの分野で1ビットデジタル搭載のシステムを拡充していくというもの。そして、その戦略の先駆けとして発表されたのが以下の『Auvi(アウヴィ)』シリーズと『1-BIT THEATER SYSTEM』シリーズだ。
【Auvi】
●1ビットデジタルシステム「SD-CX8」
●DVD1ビットデジタルシステム「SD-AT10」
●1ビットポータブルMDプレーヤー「MD-DS8」
【1-BIT THEATER SYSTEM】
●DVD1ビットデジタルシアターシステム「SD-AT50DV」
●1ビットデジタルシアターシステム「SD-AT50」
「SD-CX8」は普及価格にも関わらず高音質かつ大出力を実現したオーディオシステムで、若者を含めた幅広い層をターゲットとしている。デモンストレーションでは付属のスピーカーだけでなく大型スピーカーも軽々鳴らし、その実力を体感させてくれた。
「SD-AT10」はDVDプレーヤーを搭載したCD/MDプレーヤーという位置づけで、DVDパーソナルシアターという楽しみ方を提案する高音質システムだ。奥行き約18cmの薄型デザインとなっており、狭いスペースに液晶テレビと並べて配置する事も可能だ。
「MD-DS8」は世界で初めて『モバイル1ビットデジタルアンプ』を搭載したポータブルMDプレーヤーで、左右の音を完全に分離する『4極プラグ』を採用しており、高音質にこだわった作りとなっている。音を聴いた感じは、非常に臨場感があり、またデジタル方式のX-BASSを採用した重低音はとても迫力のあるものだった。
デジタルシアターシステム「SD-AT50DV」は1ビットサウンドを5.1chで楽しめる製品だ。総合300Wの大出力によるその音は、サテライトスピーカーのものとは思えないほど力強さを感じさせる。また「SD-AT50」は「SD-AT50DV」からDVDプレーヤーを省いたモデルとして発売され、すでにDVDプレーヤーを持っている人にも対応できる製品となっている。
それぞれの製品の詳しい情報は別ニュースとして紹介するので参照してほしい。(Phile-web編集部)
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