独立電源も採用。フォノイコにも注力
マランツ、出力400Wの旗艦プリメイン「PM-10」。フルバランス/BTL構成などセパレート技術を凝縮
ボリュームには、L/R独立のフルバランス4連電子ボリューム「リニアコントロール・ボリューム」を採用。これはSC-7S2以来、10年にわたってマランツのトップエンド機で実装されてきたものだ。
このボリューム機構は、MICRO ANALOGSYSTEM社の高精度電子ボリューム素子「MAS6116」を2基と、HDAM-SA3による電流帰還型アンプ回路で構成。デジタル制御の可変ゲインアンプによってボリュームをコントロールする。また、ゼロクロス検出によるゲイン切り替えにより、ボリューム操作時のクリックノイズ発生も排除している。
独自の複数台ボリューム連動機能「F.C.B.S」にも対応。最大4台までのPM-10のボリュームを連動させることができる。これにより複数のPM-10を使ったバイアンプ・ドライブやマルチアンプ・ドライブ、サラウンドシステムの構築が可能となっている。
■プリおよびL/Rパワーのそれぞれに独立電源を採用
本機は1筐体のプリメインアンプにもかかわらず、プリ部、そしてパワーアンプ部のL/Rにそれぞれに独立電源を採用したことも特徴だ。
電力が比較的小さいプリアンプに対しては、PFC巻き線の大型トロイダルトンランス(L/R共通:計1基)を搭載。整流回路には、新採用の超低リーク電流ショットキーバリアダイオード、平滑回路にはマランツカスタムによる新開発のニチコンブロックコンデンサー(6,800μ×2)を搭載する。
大電力を必要とするパワーアンプには、L/R独立で大容量スイッチング電源(Hypex SMPS)を採用。左右チャンネルの干渉も排除している。また、後述するようにスイッチングアンプから発生するノイズに対しても万全の対策を施した。
■コンスタント・カレントフィードバック・フォノイコライザー
PMC/MM入力対応のフォノ入力を搭載。低域から高域までサウンドキャラクターが変化しないことを特徴とするコンスタント・カレントフィードバック・フォノイコライザーを内蔵する。MCについては、High/Lowでインピーダンスを切り替えることができる。
一般的なNFB型フォノイコライザーは、RIAA特性を得るため高い周波数には深く、低い周波数には浅く負帰還をかけるため、周波数帯域によって音質が変化するという問題があるとのこと。一方でコンスタント・カレントフィードバックフォノイコライザーでは、オープンループ時の周波数特性をRIAAカーブとして、CR型のRIAAネットワークを介して帰還をかけることで、負帰還量を全帯域で一定としている。その結果、低域から高域までサウンドキャラクターが変化しないフォノイコライザーを実現できたという。
特に微弱な信号を扱うフォノイコライザー回路は、専用の銅メッキ鋼板+ケイ素鋼板によるシールドケースに収めることで、外来ノイズからの影響も排除している。
フォノ入力の各インピーダンスは、MMが2.6 mV/47kΩ、MC Lowが280μV/10Ω、MC Highが280μV/50Ωとなる。
■徹底したノイズコントロールを施す
スイッチング電源を採用したことで気になるのは、発生するノイズへの対策だが、本機では徹底したノイズコントロールを行ったという。具体的には、リアパネルやシャーシにはシールド効果の優れた銅メッキ鋼板を採用。各回路間にも銅メッキ鋼板やケイ素鋼板によるシールド版を配置して相互干渉を抑えている。
さらに内部配線には、リスニングテストを繰り返しながら効果的なポイントにフェライトコアを配置してノイズを低減。また電源回路にはチョークコイルを追加して電源ラインからのノイズ流入を防いでいる。
このボリューム機構は、MICRO ANALOGSYSTEM社の高精度電子ボリューム素子「MAS6116」を2基と、HDAM-SA3による電流帰還型アンプ回路で構成。デジタル制御の可変ゲインアンプによってボリュームをコントロールする。また、ゼロクロス検出によるゲイン切り替えにより、ボリューム操作時のクリックノイズ発生も排除している。
独自の複数台ボリューム連動機能「F.C.B.S」にも対応。最大4台までのPM-10のボリュームを連動させることができる。これにより複数のPM-10を使ったバイアンプ・ドライブやマルチアンプ・ドライブ、サラウンドシステムの構築が可能となっている。
■プリおよびL/Rパワーのそれぞれに独立電源を採用
本機は1筐体のプリメインアンプにもかかわらず、プリ部、そしてパワーアンプ部のL/Rにそれぞれに独立電源を採用したことも特徴だ。
電力が比較的小さいプリアンプに対しては、PFC巻き線の大型トロイダルトンランス(L/R共通:計1基)を搭載。整流回路には、新採用の超低リーク電流ショットキーバリアダイオード、平滑回路にはマランツカスタムによる新開発のニチコンブロックコンデンサー(6,800μ×2)を搭載する。
大電力を必要とするパワーアンプには、L/R独立で大容量スイッチング電源(Hypex SMPS)を採用。左右チャンネルの干渉も排除している。また、後述するようにスイッチングアンプから発生するノイズに対しても万全の対策を施した。
■コンスタント・カレントフィードバック・フォノイコライザー
PMC/MM入力対応のフォノ入力を搭載。低域から高域までサウンドキャラクターが変化しないことを特徴とするコンスタント・カレントフィードバック・フォノイコライザーを内蔵する。MCについては、High/Lowでインピーダンスを切り替えることができる。
一般的なNFB型フォノイコライザーは、RIAA特性を得るため高い周波数には深く、低い周波数には浅く負帰還をかけるため、周波数帯域によって音質が変化するという問題があるとのこと。一方でコンスタント・カレントフィードバックフォノイコライザーでは、オープンループ時の周波数特性をRIAAカーブとして、CR型のRIAAネットワークを介して帰還をかけることで、負帰還量を全帯域で一定としている。その結果、低域から高域までサウンドキャラクターが変化しないフォノイコライザーを実現できたという。
特に微弱な信号を扱うフォノイコライザー回路は、専用の銅メッキ鋼板+ケイ素鋼板によるシールドケースに収めることで、外来ノイズからの影響も排除している。
フォノ入力の各インピーダンスは、MMが2.6 mV/47kΩ、MC Lowが280μV/10Ω、MC Highが280μV/50Ωとなる。
■徹底したノイズコントロールを施す
スイッチング電源を採用したことで気になるのは、発生するノイズへの対策だが、本機では徹底したノイズコントロールを行ったという。具体的には、リアパネルやシャーシにはシールド効果の優れた銅メッキ鋼板を採用。各回路間にも銅メッキ鋼板やケイ素鋼板によるシールド版を配置して相互干渉を抑えている。
さらに内部配線には、リスニングテストを繰り返しながら効果的なポイントにフェライトコアを配置してノイズを低減。また電源回路にはチョークコイルを追加して電源ラインからのノイズ流入を防いでいる。
次ページ難産だったが、結果として納得いくまで音質を追い込めた
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