パナソニック、AVC8倍録画対応の新“ブルーレイDIGA” − 最上位「DMR-BW970」は2TBで画音質追求

■HDMI低クロックジッタシステム

最近、HDMI伝送時の音質向上策として注目されているのがクロックのジッター低減技術だ。

HDMIでは、プレーヤー側でオーディオクロックとピクセルクロックを統合したTMDS（Transition Minimized Differential Signaling）クロックを生成し、伝送。次にAVアンプなどの受信側で、TMDSクロックからN/CTSパラメーターによってオーディオクロックを再生成する。

この際、通常の伝送ではCTSの数値が大きく変動するためジッターが大きくなるが、BW970では「オーディオクロックスタビライザー」を新搭載し、CTSの変動を低減。さらにTMDSクロック自体の低ジッター化を図るため、ピクセルクロックについてもVCXO（Voltage Controlled Xtal Oscillator=電圧制御水晶発振器）を新たに搭載した。

BDプレーヤー/AVアンプの低クロックジッター技術では、同じメーカーの対応機器同士を接続しなければ効果が得られないものが多いが、同技術ではどのアンプとの組み合わせでも効果を発揮できるという。

■HDDやチューナーの動作を完全に切る「シアターモード」新搭載

またBW970では、新たに「シアターモード」を採用。BD/DVD/CDなどディスク再生時にHDDやチューナーを停止し、不要な機能をカット。これによって発熱が減るので、冷却ファンも低回転化する。これにより振動抑制の効果があるほか、チューナーやHDDに回す電流も節約できるので、電流ノイズも約10dBほど低減できる。さらに同社技術員は「動作時には不要なノイズや振動抑制の発生源であるHDDやチューナーが、シアターモードにすると適度な『重し』になる」と表現。これらの効果により「高級プレーヤークラスの高音質が実現できる」と説明する。

またディスクを再生し、ソフトが終了した場合に、通常ならテレビ放送に自動的に切り替わるところ、同モードではそのまま待機状態を継続。サブメニューからシアターモードを抜ける、ドライブを変える、またはディスクを取り出して空のままトレイを閉める、などの動作を行わないとシアターモードを継続する。このため、ディスクを続けて視聴したり、ソフトの余韻に浸りたい、というシチュエーションにも対応できる。

なお、シアターモード時には当然ながら番組の録画は不可能。このため同モードに入る際には「予約録画を指定している番組がある」などのアラートが表示されるなど、録画ミスを防ぐための方策が採られている。

■BDレコーダーで初めて192kHz/32ビットDACを搭載

音質を高めるためのパーツやデバイスもふんだんに搭載。まずBDレコーダーとして初めて、192kHz/32ビットの旭化成エレクトロニクス製DAC「AK4390」を搭載したことが特筆できる。これによりノイズフロアを約10dB改善した。

また、電源系に小型の低インピーダンスコンデンサーを採用したほか、信号系にも小型かつ高振動体制を持つコンデンサー（SILMIC、Cerafine）を搭載。これらにより高周波電磁ノイズや振動への耐性を持たせた。

オペアンプにはハイファイオーディオ用の低ノイズオペアンプを搭載。レギュレーターICにも低ノイズかつハイスピードなものを採用したほか、電源ケーブルも極性があるOFC電源ケーブルを同梱している。

さらに振動を抑えるため、新たにセラミックインシュレーターを搭載。これまでの樹脂インシュレーターに比べて筐体へ伝わる振動を大きく減少させたほか、HDDをフローティング配置したり、BDドライブに制振＆吸音カバーを備えるなどの工夫を行っている。

■真空管の音質をエミュレートするモードも

さらに、BD/DVD/CD再生時などに、Uniphierで真空管アンプの出力特性をエミュレートする「真空管サウンドモード」も新たに搭載した。真空管アンプの出力特性は基本波に対して2次〜3次の比較的低次の高調波特性が主体であることから、この特性をエミュレートすることで、真空管らしい温かみのある音を実現するという。なお真空管サウンドモードは3モードから選択でき、真空管の球の違いによる音質の変化も体験することができる。

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