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ワンセグ以外も持ち出し可能に

パナソニック、AVC8倍録画対応の新“ブルーレイDIGA” - 最上位「DMR-BW970」は2TBで画音質追求

公開日 2009/07/27 12:32 Phile-web編集部
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■DMR-BW970に搭載された高画質化技術

ここからは最上位機種「DMR-BW970」のみに搭載された高画質化/高音質化機能を見ていこう。

同社のBD機器では、これまでも「原画・原音忠実再生」を目標とし、最新のデジタル信号処理技術を備えた「Smart」、硬度に集積したシンプルなシステム「Simple」、低ノイズかつ低振動な「Silent」の3つの“S”をコンセプトに製品開発を行ってきた。今回の新機種でもこの目標とコンセプトは変わらず、これをさらに徹底するための新技術が盛り込まれている。

画質面では、色信号の帯域を広げることと、階調の精度を高める新技術を新たに採用した。

■色信号の帯域を高める「リアルクロマプロセッサ plus」

色信号の帯域拡大について説明する前に、デジタル放送やBD/DVDでは、輝度信号に対して色信号をそれぞれ1/2の情報量に圧縮した「4:2:0」フォーマットが採用されていることを知っておきたい。これをテレビで表示する際には、水平色信号と垂直色信号をアップサンプリングし、「4:4:4」フォーマットの映像に変換する必要がある。

パナソニックではこのアップサンプリング処理の精度を高めるため、複数の色信号を参照してアップサンプリングする「マルチタップ処理」を従来から搭載し、色純度を高めてきた。これが前ページで紹介した「リアルクロマプロセッサ」だ。

BW970では、これをさらに進化させた「リアルクロマプロセッサ plus」を搭載。放送などのインターレース信号をクロマアップサンプリング処理する場合、これまではインターレース信号のまま垂直クロマアップサンプリング処理を行っていたので、離れた信号から処理を行うことになり、垂直解像度に課題を残していた。BW970では新たに、プログレッシブ処理した後の信号からクロマアップサンプリング処理を行うようにフローを変更。これにより、インターレース映像の色信号をさらに高精度に補正することが可能になった。BDでも、音楽ソフトなどではインターレースで収録したものが多いため、このようなソフトでも画質の向上を実現できる。

また、水平方向のクロマアップサンプリング処理についても、新たに「シュートレス高解像度クロマアップサンプリング」方式に変更。これまでの方式では、色解像度を高めることはできるものの、わずかにオーバーシュートが発生することがあったが、新方式では波形をリアルタイムに分析し、オーバーシュートが発生しないように調整。これにより「色解像度を高めながらオーバーシュートを抑え、色のキレと精細感を両立することが可能になった」(同社技術担当)。なお、この新技術についてはインターレース映像だけでなく、すべての映像に対して効果が得られる。

■ビット丸めを皆無にした「階調ロスレス・システム」

階調精度を高める方策では、これまでの映像処理の順番を一から見直した「階調ロスレス・システム」を採用したことで、輝度と色信号のビット丸めを完全に排除したという。一般的なシステムではデコーダーLSIで色垂直アップサンプリングを行い、8ビットの映像を10ビットに拡張した後、次のI/P変換LSIに信号を渡すために8ビットに丸める。さらにI/P変換LSIでも10ビットに拡張するが、また内部でビットを丸め、8ビットにしたものをHDMI-LSIに渡し、最終的な出力が行われる。同社技術担当者は「これでは出力するまでに複数回のビット丸めが発生することから、階調精度が劣化する」と指摘する。

このビット丸めによる階調精度劣化を回避するため、同社独自のシステムLSI「Uniphier」内部での処理アルゴリズムを変更。まずデコードを行って4:2:0の8ビット映像を得た後、そのままI/P変換処理を実施。4:2:0の10ビット映像に変換し、これをまとめて色垂直・水平アップサンプリングし、DeepColorの場合、4:4:4の12ビット映像に変換してHDMI-LSIから出力する。ビット数で見ると8→10→12ビットと常にビット数が上がることになり、ビット丸めが発生しない。「このフローの見直しは、映像処理をまとめて統合処理するLSI『Uniphier』を持っているパナソニックだからこそ可能になった発想。通常のデバイスメーカーさんだと、各処理が細分化されているため、4:2:0のままI/P変換を行って高画質化を図るなどと言う発想が出てこないはず」(同社技術担当)という。

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