「感性価値」の重要性を強調
ソニー、'13年度経営方針を説明 − 平井社長「スマホがカギ。テレビは黒字化必達」
■モバイル事業では「最強の製品」をいち早く投入へ
このうちモバイル事業については、「市場規模がAVより大きくなっているスマートフォン・タブレット市場でどうやっていくかがカギ」と平井社長は述べ、急成長する市場の中で存在感を高める必要性を強調した。
今年2月に発売したXPERIA Zでは、イメージセンサー事業と協業するなど、ソニーの最先端技術を惜しみなく投入した結果、日本では2月の発売以来6週間連続で1位をキープしたことを紹介し、ドイツやイギリスでも非常に高い評価を得たと説明。ただし進化のスピードが非常に速い分野だけに、今後も切れ目なく革新的な製品を出し続ける必要性があると述べ、「今年度は商品化スピードを加速し、ソニーの総合力を活かした『最強の製品』をいち早く市場へ投入していく」と力強く宣言した。
■テレビ事業は営業黒字化が必達目標
同様に平井氏は会見の中で、テレビ事業の黒字化についてもその重要性を繰り返した。「昨年度はいたずらに数を追わず、オペレーションコストの削減などを進めてきた結果、想定以上に収益改善が進んだ」と説明。2011年度の同事業の売上高は8,404億円、営業損益は2,075億円の赤字だったが、2012年度の売上高は5,815億円と大幅に売上が下がった反面、営業損失は696億円まで縮小した。2013年度は売上を伸ばしながら、営業黒字を目指していく。「テレビ事業の黒字化は必達目標だ」(平井氏)。
また平井氏は、46インチ以上の金額構成比が、2011年度の16%程度から、2012年度は36%へ高まったことも指摘。さらに「国内で年間ナンバーワンのヒット商品を出すことができた」こともアピール。こういった追い風を受けながら、2013年度はX-Reality PROやトリルミナスなど,同社ならではの技術を搭載することで商品力を強化するとともに、継続的なコスト削減を行うことで黒字化を達成すると説明。また平井氏は4Kについても力を注ぐことを改めて強調し、「総務省主導のもと、4Kや8Kへの道筋が出た。また次世代テレビに関するフォーラムも発足した」と、今後同社が高付加価値モデルを強化する上で、良い環境が整ってきていることも説明した。