「感性価値」の重要性を強調
ソニー、'13年度経営方針を説明 − 平井社長「スマホがカギ。テレビは黒字化必達」
■デジタルイメージングでは新たなセンサー技術の事業化ねらう
平井氏は3つのコア事業のうち、デジタルイメージング事業についても戦略を説明した。
2013年度は、新たなセンサー技術の事業化と積極的な量産設備投資を行う。また「足の長い取り組みでは、可視光外のセンシングなど、DIの世界をさらに広げる技術開発を行う」とし、単にビデオカメラやデジタルカメラ向けにとどまらず、医療やセキュリティなど、業務機器向けのセンサー開発にも取り組んでいくと説明した。そのほか製品レベルでは、4K対応カメラ、シネマ用カメラを引きつづき強化。コンシューマー向けDI機器は高付加価値商品へシフトすることも紹介した。
■エンタメ事業の分離上々は「取締役会で徹底的に議論」
音楽や映画などのエンターテイメントビジネスについても、さらなる収益力拡大を図っていく。
映画についてはグローバルな映画・テレビ番組の制作を行うとともに、テレビネットワークのリーディングカンパニーとして、利益率の高いビジネスに注力すると説明。
音楽については、2012年度に「パッケージソフトの市場縮小が進む中、魅力的な音源の発掘やアーティスト育成を行うことで利益を出すことができた」とし、今後もこの方向性を継続。さらに買収により世界最大の音楽出版社となった「Sony/ATV」により収益が安定化したこともアピールした。
なお現在、米大手ヘッジファンドのサード・ポイント社CEOがソニーに映画・音楽事業の分離上場を提案しているが、それについての質問も報道陣から多く出された。
サード・ポイントの提案は、ソニーのエンターテイメント事業の15〜20%程度をIPO(新規株式上場)するというもの。平井社長は「今後のソニーグループの運営に関わる重要な案件なので、すでに取締役会に報告し、検討を行っている」とし、「いずれにしても、株主様から提案された重大な案件。取締役会で徹底的に議論し、ソニーとしてのスタンスを決めていくが、まだスタートの段階だ」と述べるにとどまった。