「感性価値」の重要性を強調
ソニー、'13年度経営方針を説明 − 平井社長「スマホがカギ。テレビは黒字化必達」
■PS4は攻めの姿勢でビジネス拡大ねらう
ゲーム事業については、PS3は「ハード、ソフトともに安定した売上と利益を堅持する」ことを目標として掲げ、特にネットワークコンテンツの販売額を、2012年度比で1.5倍に膨らませることを目標とする。ソニーグループ全体のネットワークサービスの売上のうち、ゲームは9割を占めているとのことで、「今後はノンゲームの比率が高くなるが、それでもゲームの金額が多くなるだろう。ダウンロードコンテンツやネットワーク経由の取引を飛躍的に向上させたい」とした。
PS Vitaについては、「競争環境は非常に厳しい」と率直に認めた上で、「お客様に喜んでいただける効果的な施策を次々に打っていきたい。たとえばハードの値下げを行ったが、これが刺激になって売上が伸びた。今後もハード施策と強力なタイトルの導入で売上と利益を確保する」と述べた。
年末の垂直立ち上げをねらうのが新ハードのPS4だ。「攻めの姿勢でビジネス拡大を図っていく。PS4自体でも最高のゲーム体験を提供するが、PS4に閉じた世界だけでなく、スマホやタブレットにも広げていく。またPS4とPS Vitaを両方持っている場合は、組み合わせることで初めて利用可能になる」と、複数デバイスを組み合わせたときの価値を高めることを強調した。ゲーム事業の営業利益率目標を引き下げたことについては2つの理由を挙げ、「PS Vitaのスタートダッシュが遅れたので、これでコストがかかる」ことに加え、「PS4のスタート時には垂直立ち上げが必要。多くの選択肢がある中でPS4を選んでいただくための積極的な投資を行う必要がある」と説明した。
なお、コンソールゲームビジネスの未来が必ずしも明るくないのでは、と報道陣から質問された平井氏は、「私自身としては、ゲームというより、もう少し広く捉えている。インタラクティブエンターテイメントというべきか、こちらの操作に反応し、それを楽しむというものは、今後ますます伸びていくだろう」と述べ、「その中でのホームコンソールの成長力についても、演算処理能力の高さに加え、他機器とのベースやハブになるということも考えると、市場としては大きくなると考えている」と楽観的な見通しを示した。
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