テレビも利益を前年度から上積み
ソニー、実質8期ぶりの最終黒字。エレキも5期ぶりに黒字
営業損失は614億円で、前年度から1,561億円縮小。この大幅な損失縮小は、主に前年度に営業権の減損1,760億円を計上していたことによるもの。また、主にコストの米ドル建て比率が高いことによる米ドル高の損益に対する悪影響や構造改革費用の増加などがあったが、前述のスマートフォンの販売台数の減少の影響を製品ミックスの改善及び費用削減で補った。なお、為替の悪影響は675億円。
モバイル事業について吉田CFOは「構造改革は当初の目標以上の効果を上げている」と紹介。「2016年度は黒字化を目標にしている」とした。
■PS4のネットワーク事業好調。新型PS4は「ノーコメント」
G&NS分野の売上高は、前年度比11.8%増加し、1兆5,519億円。PS3のソフトウエア及びハードウエアは減収となったが、ネットワークを通じた販売を含むPS4のソフトウエアの増収及びPS4のハードウエアの販売台数の増加などにより、分野全体で大幅な増収となった。
営業利益は、前年度比406億円増加し、887億円。米ドル高の損益に対する悪影響、及びPS3のソフトウェアの減収の影響があったが、PS4のソフトウエアの増収及びPS4ハードウエアのコスト削減の影響、前年度にPS VitaやPS TV用の部品に対する評価減112億円の計上があったことなどにより、分野全体で大幅な増益となった。なお、為替の悪影響は477億円だった。
ゲーム事業についてはPS4が過去のプレステと比べて最速ペースで普及が進んでいることに改めて触れ、ソニーグループの成長牽引領域になっていると表現。特にネットワークサービスの売上は前年比50%の伸びで、「収益を安定的に生み出せる、リカーリング事業の中心に位置づけており、最も重要な事業のひとつだ」と述べた。
なお、質疑応答では海外を中心にPS4に新型が登場するという報道が一部に出ていることについて問われたが、「コメントは差し控えたい」とするのみだった。
■デジカメは高付加価値シフトで増益
デジタルカメラやビデオカメラが含まれるIP&S分野の売上高は、前年度比1.7%減少し、7,112億円。デジカメにおける高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善があったものの、市場縮小の影響によるビデオカメラ及びデジタルカメラの販売台数の減少などにより、分野全体でほぼ前年度並みとなった。