ボリューム刷新など音質にも注力
デノン、11chアンプ搭載の準旗艦AVアンプ「AVR-X6300H」。28万円
パワーアンプの出力素子(パワートランジスター)には、AVR-X7200Wと同じ「デノンハイカレントトランジスター(DHCT)」を採用。これはサンケン電気製のトランジスターで、温度補償回路の内蔵による高いアイドリング性能と、薄膜技術による優れた放熱性を特徴している。
温度補償回路については、パワートランジスターの“足”部に搭載。トランジスターの温度を基板上でモニタリングし、異常温度上昇時の保護を行う。従来のヒートシンクでの検出に比べて即時に検出が可能となるため、急激な温度変化に対してもバイアス電流の補正が追従でき、安定したアイドリングが実現する。結果として、音質に影響のある電流リミッターの省略も可能となった。
ハイクラスモデルとして音質パーツも厳選、特にパワートランスとブロックコンデンサーは新規開発された。トランスは、AVR-X4200Wではコアの積厚が75mmだったが、本機ではこれを80mmに拡大。パワーを125W(帯域)から140W(帯域)に増強した。
ブロックコンデンサーは、直径を35mmから50mmに拡大。さらに電解紙および箔の選定、巻き方、固定材まで音質にこだわった。また、大電流タイプのショットキーバリアダイオードも採用された。
アンプ部については、全chが4Ωのスピーカーのドライブにも対応する点も強調されていた。
■ボリュームやセレクターにそれぞれ独立した新開発ICを採用
オーディオ性能の改善という点で本機のハイライトとなるのが、ボリューム、セレクターにそれぞれ特化したチップを新規開発したことだ。これにより各機能による音質への影響を改善することはもちろん、オーディオ性能を最優先した信号経路の設計やレイアウトの自由度を向上させることができたという。
AVR-X4200Wでは、AVアンプとしては一般的なセレクター、ボリュームなどが1チップに集積したICを使用していた。旗艦モデルであるAVR-X7200WAにおいても、入出力セレクターとボリュームの複合デバイスを2基使用するにとどまっていた。
対してAVR-X6300Hは、11.2ch分のボリューム・チップとしてJRC「NJU72343」を、入力/出力セレクターとしてJRC「NJU72750」(7入力- 3出力)、JRC「NJU72751」(4入力 - 4出力)を採用。高性能なICを組み合わせて、それぞれをディスクリートで使用することで、よりシンプルでストレートな回路構成を実現したという。
この点について高橋氏は「この点は、オーセンティックなオーディオを実現するというコンセプトの回答になります。ボリュームとセレクターは、もっとオーディオライクに作りたいと考えていたのです」とコメント。さらに、汎用性の高い32ピン方式で各ICチップを新規設計したことから、上位/下位の各モデルにもこの技術が展開することが視野に入っているという。
■DAC専用基板でデジタル回路の影響を低減/32bit DSPを4基使用
DACには、旭化成エレクトロニクス(AKM)の32bit/8ch DAC「AK4458VN」を2基搭載。DAC部はDAC専用基板とすることで、デジタル回路の影響も低減した。
HDMI/DSP基板には、AVR-X7200Wと同様に、アナログデバイセズ社製の32bitフローティングポイントDSP「SHARCプロセッサー」を4基搭載。デノンのAVアンプの根幹技術である「DDSC−HD」や「AL24 Processing Plus」、「DENON LINK HD」、Audysseyの音場補正技術「Audyssey MultEQ XT32」などをそのままドルビーアトモスやDTS:X再生時でも使用・適用できるようになっている。
温度補償回路については、パワートランジスターの“足”部に搭載。トランジスターの温度を基板上でモニタリングし、異常温度上昇時の保護を行う。従来のヒートシンクでの検出に比べて即時に検出が可能となるため、急激な温度変化に対してもバイアス電流の補正が追従でき、安定したアイドリングが実現する。結果として、音質に影響のある電流リミッターの省略も可能となった。
ハイクラスモデルとして音質パーツも厳選、特にパワートランスとブロックコンデンサーは新規開発された。トランスは、AVR-X4200Wではコアの積厚が75mmだったが、本機ではこれを80mmに拡大。パワーを125W(帯域)から140W(帯域)に増強した。
ブロックコンデンサーは、直径を35mmから50mmに拡大。さらに電解紙および箔の選定、巻き方、固定材まで音質にこだわった。また、大電流タイプのショットキーバリアダイオードも採用された。
アンプ部については、全chが4Ωのスピーカーのドライブにも対応する点も強調されていた。
■ボリュームやセレクターにそれぞれ独立した新開発ICを採用
オーディオ性能の改善という点で本機のハイライトとなるのが、ボリューム、セレクターにそれぞれ特化したチップを新規開発したことだ。これにより各機能による音質への影響を改善することはもちろん、オーディオ性能を最優先した信号経路の設計やレイアウトの自由度を向上させることができたという。
AVR-X4200Wでは、AVアンプとしては一般的なセレクター、ボリュームなどが1チップに集積したICを使用していた。旗艦モデルであるAVR-X7200WAにおいても、入出力セレクターとボリュームの複合デバイスを2基使用するにとどまっていた。
対してAVR-X6300Hは、11.2ch分のボリューム・チップとしてJRC「NJU72343」を、入力/出力セレクターとしてJRC「NJU72750」(7入力- 3出力)、JRC「NJU72751」(4入力 - 4出力)を採用。高性能なICを組み合わせて、それぞれをディスクリートで使用することで、よりシンプルでストレートな回路構成を実現したという。
この点について高橋氏は「この点は、オーセンティックなオーディオを実現するというコンセプトの回答になります。ボリュームとセレクターは、もっとオーディオライクに作りたいと考えていたのです」とコメント。さらに、汎用性の高い32ピン方式で各ICチップを新規設計したことから、上位/下位の各モデルにもこの技術が展開することが視野に入っているという。
■DAC専用基板でデジタル回路の影響を低減/32bit DSPを4基使用
DACには、旭化成エレクトロニクス(AKM)の32bit/8ch DAC「AK4458VN」を2基搭載。DAC部はDAC専用基板とすることで、デジタル回路の影響も低減した。
HDMI/DSP基板には、AVR-X7200Wと同様に、アナログデバイセズ社製の32bitフローティングポイントDSP「SHARCプロセッサー」を4基搭載。デノンのAVアンプの根幹技術である「DDSC−HD」や「AL24 Processing Plus」、「DENON LINK HD」、Audysseyの音場補正技術「Audyssey MultEQ XT32」などをそのままドルビーアトモスやDTS:X再生時でも使用・適用できるようになっている。
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関連リンク
- ジャンルAVアンプ
- ブランドDENON
- 型番AVR-X6300H
- 発売日2016年10月中旬
- 価格¥280,000(税抜)
【SPEC】●搭載パワーアンプ数:9ch ●定格出力(8Ω、20Hz〜20kHz、THD 0.05%、2ch駆動):125W×125W ●実用最大出力: (JEITA:6Ω、1kHz、THD10%、1ch駆動):235W ●適合インピーダンス:4〜16Ω ●周波数特性:10Hz〜100kHz(+1,-3dB、ダイレクトモード時) ●無線LANネットワーク種類(無線LAN 規格):IEEE 802.11a /b/g/n準拠(Wi-FiR 準拠) ●セキュリティ:WEP 64bit、WEP 128bit、WPA/WPA2-PSK(AES)、WPA/WPA2-PSK(TKIP)●無線周波数:2.4GHz / 5GHz ●Bluetooth:バージョン3.0+EDR ●対応プロファイル:A2DP1.2、AVRCP1.4 ●対応コーデック:SBC、AAC ●周波数帯域:送信出力/ 通信距離 2.4GHz帯域/Class1/約30m(見通し距離) ●HDMI端子:入力×8 フロント×1)、出力×3(モニター×2、ゾーン2×1)●アナログ映像入出力端子:コンポジット入力×4(フロント×1)、コンポーネント入力×2、コンポジット出力×2(モニター×1、ゾーン2 ×1)、コンポーネント出力×1 ●音声入出力端子:アナログ音声入力 × 7(フロント×1、PHONO×1)、光デジタル入力× 2、同軸デジタル入力×2、11.2chプリアウト×1、ゾーンプリアウト×2、ヘッドホン出力×1 ●その他の入出力端子:Denon Link HD×1、Network×1、USB端子×1(フロント)、FMアンテナ端子×1、AMアンテナ端子×1、セットアップマイク入力×1、RS-232C×1、DCトリガー出力×2、リモートコントロール(IR)入出力×各1 ●外形寸法:W434×H236×D389mm(アンテナを立てた場合)、W434×H167×D389mm(アンテナを寝かせた場合)(フット、端子、つまみ含む) ●質量:13.5kg