HOME > ニュース > デノン、11chアンプ搭載の準旗艦AVアンプ「AVR-X6300H」。28万円

ボリューム刷新など音質にも注力

デノン、11chアンプ搭載の準旗艦AVアンプ「AVR-X6300H」。28万円

公開日 2016/09/16 10:04 編集部:小澤貴信
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
3つ目は“オーセンティックオーディオ”というコンセプトだ。これは、オーディオの基本に立ち返って、デジタル入力→DAC→ボリューム(プリアンプ)→パワーアンプという構成を見直そうというもの。今回はその中でも、特に新しいボリュームのコンセプトの提案に主眼が置かれた。

11ch分の各アンプは独立基板で構成。配置の工夫で放熱性や省スペース性も向上

前述のようにAVR-X6300Hの筐体サイズは、AVR-X4200Wと同サイズだ。しかし、AVR-X4200Wはそもそも7chアンプで、本機は11chアンプ内蔵。内部のレイアウトは大幅に見直しが図られた。

「11chモノリス・コンストラクション・パワーアンプ」


11chモノリス・コンストラクション・パワーアンプを搭載。同一回路・同一性能のパワーアンプ回路をチャンネル毎に個別の基板に独立させたモノリス・コンストラクション構成を採用することで、チャンネル間の振動による影響およびクロストークを排除、セパレーションも高めた。ヒートシンクには、共振の少ないアルミ押し出し材を使用している。

高橋氏は本機の11chアンプの構成について説明。「AVR-X7200WAでは9chアンプを4ch/5chに分けて左右シンメトリーに配置しており、一方でAVR-X4300Wでは7chをアンプを同一基板上に平行配置していました。AVR-X6300Hでは両者の特徴を融合させ、各chアンプを独立基板としつつ、平行配置するという構成をとりました」。

11枚の基板を使用して、11chアンプを構成

また、AVR-X4200Wと同サイズの筐体に11ch分のアンプを納め、かつ高効率で駆動させるために、「チェッカーマウント・トランジスター・レイアウト」を採用。これはパワーアンプ基板のパワートランジスター(DHCT)を格子状にレイアウトすることで放熱性を改善し、スペースファクターの問題を解決するというものだ。

AVR-X6300Wは、X7200Wと同サイズのヒートシンクを搭載する。パワーアンプ基板はヒートシンクに面して配置されるが、ヒートシンクのサイズもアンプ回路もX7200WAと同じでは、9ch分のパワーアンプしか配置ができない。そこでX6300Hでは、パワートランジスターの配置に工夫を行った。

チェッカーマウント・トランジスター・レイアウト

X7200Wのアンプ基板は、各chごとにパワートランジスター2基を一列に配置していた。それをX6300Hでは、同一回路・同一性能を持ちながら、パワートランジスターの配置をずらした2種類のパワーアンプ基板を用意。これにより11ch分のアンプ基板を平行配置したときに、パワートランジスターが格子状(市松模様状)に分散して並ぶようになり(上図を参照)、よりタイトな配置、そして高い放熱性を実現したのだという。

結果として、本機では旗艦モデルと比較しても熱効率が改善。より安定性の高いスピーカー駆動が可能となった。

11ch分のパワーアンプ基板へ独立して電源供給。セパレーションを大幅改善

11chモノリス・コンストラクション・パワーアンプによって獲得したもうひとつの利点が、全チャンネル電源分離供給の実現だ。パワーアンプ基板を各chで分離させると同時に、電源供給ラインも独立。さらにはスピーカー端子まで各アンプから独立した信号経路で出力することが可能となり、セパレーションの改善とクロストークの大幅な低減に成功した。

全チャンネル電源分離供給を実現

1chあたりのパワーアンプ回路は、AVR-X7200WAの回路構成を踏襲。パワーアンプの入力素子は、AVR-X7200WAで評価を得たデュアルトランジスター(2ダイス)を継承。差動回路を構成するトランジスターの温度ドリフトが最小。カレントゲインの差が小さく、DCオフセットを最小化を実現している。これらにより、微小信号および低域まで表現力を高めることに成功している。

次ページボリュームやセレクターにそれぞれ独立したICを採用

前へ 1 2 3 4 5 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

製品スペックやデータを見る
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー196号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.196
オーディオアクセサリー大全2025~2026
特別増刊
オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX

本ページからアフィリエイトプログラムによる収益を得ることがあります

NEWS
AV&ホームシアター
オーディオ
モバイル/PC
デジカメ
ホビー&カルチャー
過去のニュース
RANKING
イヤホン・ヘッドホン
AV機器売れ筋
さらに見る
AWARD
VGP
DGPイメージングアワード
DGPモバイルアワード
オーディオ銘機賞
オーディオアクセサリー銘機賞
アナロググランプリ
REVIEW
レビュー
コラム
注目製品クローズアップ
優秀録音ハイレゾ音源レビュー
さらに見る
連載
折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト
高橋 敦のオーディオ絶対領域
山本 敦のAV進化論
角田郁雄のオーディオSUPREME
今週の発売新製品
アニソンオーディオポータル
さらに見る
INTERVIEW
インタビュー記事一覧
さらに見る
BRAND
注目ブランド情報
MAGAZINE
オーディオアクセサリー
analog
ホームシアターファイル
プレミアムヘッドホンガイド
プレミアムヘッドホンガイドマガジン
雑誌定期購読
雑誌読み放題サービス
メルマガ登録
SHOPPING
PHILE WEB.SHOP
通販モール