カメラや動画撮影も大幅進化
「iPhone 4」のAV機能をレビュー − 圧倒的な高精細画面、フルHD再生も可能な驚異の実力
■電波受信感度には明確な優位は見られず
さて、3分割されたステンレスフレームが、実は各種アンテナも兼ねているというのも、iPhone 4の発表時に話題を集めた注目点だ。電波受信感度はどうだろう。電波状況の悪さには定評のある音元出版会議室で検証してみたが、iPhone 3GやiPadとの比較では、3G回線でもWi-Fi回線でも、明確な優位は見られなかった。
不安定な電波状況において、ある瞬間においては3G/iPadを上回ったかと思えば、ふと目を戻すと下回っていることもある。ただし筆者としては、「悪くはなっていない」とポジティブに受け取っておくことにする。
■イヤホン音質はよりハイファイに。96/24 ALACファイルも再生可能
再生音質が良いという理由でiPhone 4を買う人も、逆に再生音質がいまひとつならiPhone 4を買わないという人も、おそらくいないだろう。iPhone 4はそういう類の製品ではない。とはいえAV専門サイトとして無視はできない要件だ。簡単に触れておこう。
まず内蔵スピーカーだが、iPhone 3Gと比べてボーカル帯域を強めにクリアに出す印象。この点はスピーカー通話の際にも強みになるだろうから、妥当な方向性のチューニングだと思う。
イヤホンを普段常用しているものに揃え、ヘッドホン出力の音質も確認。特にシンバルの明瞭度が高まった印象で、ハイファイという意味では向上していると感じた。外装のカッチリ感に音の印象まで引っ張られているのでは、と何度も聴き返すが、そう聴こえるのだからしかたない。
転送できるオーディオファイルの仕様だが、iTunesの通常の同期では、48kHz/24bitまでの転送と再生を確認した。それ以上の仕様のファイル(96kHz/24bit)はiTunesで同期する際に弾かれ、転送できない。
しかし、ファイル共有アプリ「Air Sharing」を使用して転送&再生を試みると、96kHz/24bitのALAC(Apple Lossless)ファイルも再生できてしまう。ここまではiPhone 3Gでも可能だが、3Gでは再生時にときたま音が途切れるのに対して、iPhone 4での再生は比較的安定していた。動作保証外であることには変わりないものの、より実用性を増したと言ってよいだろう。なお、FLACはどうだろうと試してみたが、案の定、これは再生できなかった。