カメラや動画撮影も大幅進化
「iPhone 4」のAV機能をレビュー − 圧倒的な高精細画面、フルHD再生も可能な驚異の実力
■画質は難ありだがシンプルで使いやすい動画撮影機能
カメラには、HDビデオ(720p)の撮影機能も搭載された。カメラの画面に表示されたスイッチで、静止画と動画をさっと切り替えられる。これはiPhone 3GSと同様だ。
Appleらしいと言うべきだろうか、設定項目は一切ない。解像度もビットレートも固定される。唯一操作できるのは、フォーカスをタップして合わせられる程度だ。
iPhoneのカメラ機能は誰でも迷わず、それこそ本当に幼児でも撮影できるような操作性を実現している。iPhone 3Gでこれを動画にも広げ、さらにiPhone 4で解像度の強化を果たしたわけだが、操作性のシンプルさは変わっていない。こういうところで思い切って割り切れるのがアップルの強みだ。
撮影ファイルはH.264コーデックのMOV形式で、ビットレートは撮影場面によって、適時設定されているものと思われる。
とはいえ実際の画質は、満点画質とは言えない。カメラをパンニングした際などにかなり目立つMPEGノイズが発生することがあったほか、風景の前方を人物が横切る場面などでは露出設定が一時的におかしくなることもあった。また動きボケを感じさせる部分も多いほか、全般的にノイズ感が目立つのは気になった。
ただ、家族のスナップを動画で残しておきたいというようなニーズで重視されるべきは、やはり画質よりも手軽さだろう。撮りたいときにサッと逃さず撮影できることが何よりも大切だ。「考える前に撮る」を実戦するためのムービー撮影機能ということだろう。
またiPhone 3GSと同じく、撮影した動画の簡易的な編集機能も標準で搭載されている。サムネイルが横に並ぶタイムラインをドラッグ操作し、始点と終点を選択してトリミングを実行するというシンプルなものだ。感覚的に編集できるのが強みと言えるだろう。不要な部分を本体のみで後からカットできるのは便利だ。加えて、指定した始点あるいは終点をグイっと思い切ってドラッグすると、サムネイルバーが拡大されて、より正確なポイント指定も行える。
なお、より凝った編集や特殊効果を使いたいという方は、「iMovie for iPhone」が有料で提供されはじめたので、こちらを使えば良い。今回の記事執筆時点では提供されていなかったので、試用できなかったのが残念だ。
何しろ行列への参加から始まったので、もうずいぶんと長い間眠らないまま執筆している。そろそろ限界が近づいてきた。iPhone 4の要点や実機テストならではの検証例を、きちんと提示できていればよいのだが。
ともかくも、iPhone 4が非常に魅力的なデバイスであることは間違いない。現在は予約さえ行えないという状況になっているが、多くの方がこの魅力的なデバイスを体験できるよう、早期に潤沢な供給が開始されることを望みたい。
あとは、今夜夢の中で上戸彩さんにお会いできることを望むばかりである。