メイン+サブの2画面ゲームに注目
iPad 2と「Digital AVアダプタ」が実現、新感覚の“2画面”ゲーム/ビデオ体験をレポート
iPad 2のスピーカーはモノラルで、音質はお世辞にも良いとは言えない。ゲームでは音が聞こえてくる方向など、聴感情報も重要になってくるので、これまでゲームをプレイする際は、ヘッドホンやイヤホンを掛けることが多かった。
音声をHDMIで出力できれば、テレビのスピーカーやAVアンプなど、様々なデバイスでゲームの音を楽しめ、臨場感は非常に高まる。実際にReal Racing HD 2をプレイしてみると、エンジン音やコーナーを曲がる際のタイヤの軋み、あるいは縁石に乗り上げたときの音など、様々な効果音がリアルに再生され、ゲームへの没入感が非常に高まった。
有線接続なので遅延がほぼないのも、ゲームに適している。ゲーム機能を高めたディスプレイでは、1msec単位で遅延の少なさを争っているくらいなので、ゲーマーにとっては、操作がダイレクトに画面に反映されることが非常に重要になってくる。無線で映像を伝送する技術は数多いが、どれもある程度の遅延は避けられず、タイミングなどがシビアなゲームには不向きと言われている。
ポータブルゲーム機の分野では、ゲーム専用機のシェアをスマートフォンが浸食しはじめていることが、様々な調査結果から明らかになっている。
一方で据置機では、いまだにWiiやPS3、Xbox 360など専用機が圧倒的に強く、これといった強力な対抗軸は現れていなかった。
タブレットにはゲーム用のハードウェアボタンが無い。これが据え置きゲーム機との大きな違いだが、Android 3.1ではゲーム機のコントローラーが接続できるようになる。アップルも、iOS用のゲームコントローラーを作ろうと思えば、それほど難しくはないはずだ。
今後タブレットが普及し、その性能がますます高まれば、ゲーム機や動画プレーヤーとして使われる機会が増えるはずだ。そうなれば据置ゲーム機の存在意義が問い直されることは必至で、いま人気のあるゲーム機も決して安閑としてはいられない。今回のテレビ+iPadの2画面スクリーンゲーム体験は、そう思わせるに十分な衝撃を与えてくれた。