【レビュー】シャープ “フリースタイルAQUOS”を試す − 「AQUOS第二章」の真価とは?
テレビの販売がこの秋から急速に落ち込んでいることが、様々なところで話題になっている。ただし、これはエコポイントの反動が主因であり、通年ではおおむねメーカーの予想通りに進んでいるという見方が多い。
より深刻なのは、テレビの収益性がますます悪化していることだ。多くのメーカーのテレビ事業は慢性的な赤字体質が続いており、事業の大幅な縮小で利益確保を目指す大手メーカーも現れ始めた。
国内最大手のテレビメーカー、シャープの危機意識も相当なものだ。同社はテレビ事業の黒字を維持しているが、その利益率は高いとは言えないし、テレビの価格下落は進む一方。今後の収益性向上を考えたとき、同社ならではの付加価値を盛り込む必要があるのは自明だ。
こういった背景から、同社は「超大型化」「フリースタイル」「スマホ/タブレット連携」という3つの戦略を軸に、テレビの高付加化を進めようとしている。今回は、このうち「フリースタイル」「スマホ/タブレット連携」に対応した「フリースタイルAQUOS」を試用し、その実力に迫っていきたい。
■なぜ今チューナー/ディスプレイ分離を採用したのか?
フリースタイルAQUOSにはいくつか大きな特徴があるが、最大の特徴はそのスタイルだ。ディスプレイ部とチューナー部が分離しており、そのあいだをワイヤレスで接続できる。またディスプレイ部を徹底的に薄型かつ軽量にすることで、壁掛け設置もしやすくした。
私がフリースタイルAQUOSを見たとき、真っ先に頭に浮かんだのは、日立のWooo UTシリーズだ。
Wooo UTシリーズはフリースタイルAQUOSと同様、ディスプレイ部とチューナー部を分離し、さらにディスプレイ部を薄型化してデザイン性を高めた製品。2007年に登場し、その先進性から話題を集めたが、残念ながら薄型テレビのメインストリームになることはなく、すでに生産を終了している。Wooo UTの当時のキャッチコピーは「レイアウト自由型」で、このあたりもフリースタイルAQUOSと符合する。
私が興味を持ったのは、このWooo UTの結末を知っているはずのシャープが、なぜ一見似たようなコンセプトの商品を、いまあえて市場に投入したのかということだ。
しかも同社はフリースタイルAQUOSを「AQUOS 第二章」とまで位置づけ、来年度にはAQUOS全モデル中、30%以上の構成比を狙うなど、異例なまでに大きな期待を込めている。ここまで同社が自信を持ち、力を入れる理由はどこにあるのだろう。
■薄く軽く、美しいディスプレイ部
フリースタイルAQUOSは現在「F5ライン」「F3ライン」「LC-20FE1」がラインナップされており、カラーバリエーションを含めると18機種が用意されている。なおF5とF3は同梱品やスタンドが異なっているだけで、機能や仕様面の違いはない。
今回試用したのは「LC-40F3」だ。視聴室でフリースタイルAQUOSを開梱し、ディスプレイ部を持ち上げると、その軽量さに驚かされる。40V型なのに約8.5kgで、大人の男なら一人でも難なく持ち上げることができるだろう。
より深刻なのは、テレビの収益性がますます悪化していることだ。多くのメーカーのテレビ事業は慢性的な赤字体質が続いており、事業の大幅な縮小で利益確保を目指す大手メーカーも現れ始めた。
国内最大手のテレビメーカー、シャープの危機意識も相当なものだ。同社はテレビ事業の黒字を維持しているが、その利益率は高いとは言えないし、テレビの価格下落は進む一方。今後の収益性向上を考えたとき、同社ならではの付加価値を盛り込む必要があるのは自明だ。
こういった背景から、同社は「超大型化」「フリースタイル」「スマホ/タブレット連携」という3つの戦略を軸に、テレビの高付加化を進めようとしている。今回は、このうち「フリースタイル」「スマホ/タブレット連携」に対応した「フリースタイルAQUOS」を試用し、その実力に迫っていきたい。
■なぜ今チューナー/ディスプレイ分離を採用したのか?
フリースタイルAQUOSにはいくつか大きな特徴があるが、最大の特徴はそのスタイルだ。ディスプレイ部とチューナー部が分離しており、そのあいだをワイヤレスで接続できる。またディスプレイ部を徹底的に薄型かつ軽量にすることで、壁掛け設置もしやすくした。
私がフリースタイルAQUOSを見たとき、真っ先に頭に浮かんだのは、日立のWooo UTシリーズだ。
Wooo UTシリーズはフリースタイルAQUOSと同様、ディスプレイ部とチューナー部を分離し、さらにディスプレイ部を薄型化してデザイン性を高めた製品。2007年に登場し、その先進性から話題を集めたが、残念ながら薄型テレビのメインストリームになることはなく、すでに生産を終了している。Wooo UTの当時のキャッチコピーは「レイアウト自由型」で、このあたりもフリースタイルAQUOSと符合する。
私が興味を持ったのは、このWooo UTの結末を知っているはずのシャープが、なぜ一見似たようなコンセプトの商品を、いまあえて市場に投入したのかということだ。
しかも同社はフリースタイルAQUOSを「AQUOS 第二章」とまで位置づけ、来年度にはAQUOS全モデル中、30%以上の構成比を狙うなど、異例なまでに大きな期待を込めている。ここまで同社が自信を持ち、力を入れる理由はどこにあるのだろう。
■薄く軽く、美しいディスプレイ部
フリースタイルAQUOSは現在「F5ライン」「F3ライン」「LC-20FE1」がラインナップされており、カラーバリエーションを含めると18機種が用意されている。なおF5とF3は同梱品やスタンドが異なっているだけで、機能や仕様面の違いはない。
今回試用したのは「LC-40F3」だ。視聴室でフリースタイルAQUOSを開梱し、ディスプレイ部を持ち上げると、その軽量さに驚かされる。40V型なのに約8.5kgで、大人の男なら一人でも難なく持ち上げることができるだろう。