【レビュー】シャープ “フリースタイルAQUOS”を試す − 「AQUOS第二章」の真価とは?
さらに遠く離れた場所に持っていく。今度はチューナー部から15m程度の距離がある場所で、あいだの壁も2枚に増えた。先ほどよりもかなり厳しい条件の場所に置き、果たして電波強度は…と電源を入れてみると、3本アンテナが立っている。この状況でテレビを長時間視聴してみたが、まったく映像に乱れは見られなかった。このくらい距離が離れても全く乱れなく視聴できるのなら、一般家庭に設置して問題が出るケースは少なそうだ。
それにしても、ディスプレイ部にはチューナーがないのに、あたかも内蔵されているかのように、まったく違和感なく使えることには素直に感心させられた。
■電源さえあれば家中どこでもテレビ視聴
ワイヤレス化で恩恵を感じるケースの筆頭は、アンテナコンセントが無い部屋でもテレビが見られるということだろう。古い家はもとより、新築家庭であっても、アンテナコンセントが無い部屋は意外と多いもの。フリースタイルAQUOSならば、そういった部屋でも追加工事を行うこと無く、電源さえあればテレビが見られる。これまで設置を諦めた部屋にテレビを置けることに大きなメリットを感じる向きも多いだろう。
もちろん壁掛け設置をする際にも、ワイヤレス化は大きなメリットとなる。何せ電源ケーブルさえ接続すれば、ほかにつなぐものは不要なのだ。
■壁掛け設置が難しければ「壁ごとラック」「壁寄せスタンド」も
ただし個人的には、今後壁掛け設置比率が大きく高まるか疑問に感じる。まず賃貸住宅の場合は、壁にキズを付けられないのでNGというパターンが多いだろう。持ち家の場合にも適当な位置に壁がなかったり、壁の強度が心配というケースが多そうだ。
壁掛け設置をするなら電源ケーブルも壁内に埋め込みたくなるが、これには電気工事を伴う。壁掛けのために電気工事ができるなら、アンテナコンセントを一つ加えるくらいはカンタンだろう。こう考えていくと、製品コンセプトが自己矛盾してしまう。
ただし壁掛けができない場合は、疑似壁掛け設置が可能な「壁ごとラック」や「壁寄せスタンド」によって、フリースタイルAQUOSの薄さを活かした設置が行える。新築やリフォーム時に導入するのでない限り、この二つの設置ソリューションが、多くの方にとっての最適解になるのではないだろうか。
■フリースタイルAQUOS ワイヤレス伝送の注意点
さて、フリースタイルAQUOSのワイヤレス映像伝送には、注意すべきポイントがある。実はフリースタイルAQUOSのチューナー部には外部映像入力が無く、たとえばレコーダーやレコーダーやゲーム機などを接続し、その映像をワイヤレスで飛ばすことができないのだ。