【レビュー】シャープ “フリースタイルAQUOS”を試す − 「AQUOS第二章」の真価とは?
さてワイヤレス接続となれば、その通信距離や安定性が気になるところ。実はこのワイヤレス接続の仕様に、前述したWooo UTシリーズとフリースタイルAQUOSとの、根本的な思想の違いが現れている。
Wooo UTはチューナー部とディスプレイ部の通信はUWBを用い、距離は最長9mまでだった。さらに原則として同じ部屋での設置が推奨されていた。
これに対し、フリースタイルAQUOSはWi-Fi(IEEE802.11b/g/a/n)で映像や音声を伝送するため、伝送距離はより長く、異なる部屋にチューナー部とディスプレイ部を置くことができる。また市販のルーターを経由することで、チューナー部とディスプレイ部の距離の制限はほぼなくなる。
Wooo UTがあくまで、あくまで同じ部屋の中での「レイアウト自由型」を志向していたのに対し、フリースタイルAQUOSは家中全体を見据えた「フリースタイル」設置を目指した製品なのだ。
両機のコンセプトは似ているようで全く異なっており、フリースタイルAQUOSの方が、よりスケールが大きい。数年前のアイデアの焼き直しではないのだ。
■映像は安定。ノイズや遅延の影響も気にならないレベル
いよいよ映像を見てみようと、まずはチューナー部を置いた部屋の隣に持っていく。置いた場所はチューナー部から8m程度のところ。あいだには防音を施した厚い壁があるのだが、電波強度を見てみると、いわゆる「バリ5」状態。電源を入れるとあっけないほど瞬時にテレビ画面が表示される。ノイズやコマ落ちなども皆無で、非常に快適な試聴が行えた。