2年ぶりに本格チェック
【レビュー】3Dアダルトソフトの実力をマジメに検証する(2012年版)
■今回の作品は1080pフレームパッキングで収録
さて、今回視聴した作品の情報をかんたんに紹介しておこう。タイトル名は当サイトではちょっと書けないレベルなのだが、ピエロというレーベルから出ているものなので、必要に応じてググっていただきたい。作品ジャンルで言うと百合モノである。
パッケージを見ると、3DはMPEG-2の1080pフレームパッキングで収録されていると書かれている。左眼用、右眼用のフルHD映像を2枚つなぎ合わせた、1,920×2,160の映像が収録されているものと考えられる。MPEG-4 MVCで収録されていないため、いわゆる「Blu-ray 3D」の要件は満たさない。もちろんBlu-ray 3Dのロゴも表記されていない。推測になってしまうが、MPEG-4 MVCでのオーサリングを行える現場が少ないことなども、フレームパッキングを選んだ理由としてあるかもしれない。
■非常に自然な3D感。没入感は極めて高い
いよいよ視聴を行っていく。前回と同様、視聴を行ったのは音元出版の視聴室である。誰のイタズラか、なぜかトイレットペーパーが部屋に置かれていたのだが、筆者はマジメ一徹の男だ。当たり前だが、作品を見るのもジャーナリスティックな興味と関心からで、それ以外の邪な考えは毛頭無いことをあらかじめ強調しておきたい。
作品の冒頭から、自然な3D感が描出され、ステレオイメージにほとんど破綻が無いことに驚かされる。またフレームパッキングのため精細感が非常に高く、ディテールが細部まで描き出されるので、没入感は半端ではない。
いわゆる百合ものの作品なので、全編にわたって女の子二人のふれあいが描かれる。イントロ部は二人が水着でシャボン玉を吹いたり、ビーチボールで遊んだりなどソフトな演出が続くのだが、この二つのモチーフが、3D効果をデモするのに適しているから選ばれたことは明白だ。
たとえば、吹かれたシャボン玉がこちらに近づいてくる感覚が見事に表現されているし、ビーチボールが二人の間を行ったり来たりするところを背後から撮ったショットも、ステレオベースの設定が的確だからか、ごく自然な3D感で、近くで女の子二人が実際に遊んでいるような感覚に陥るほどだ。