2年ぶりに本格チェック
【レビュー】3Dアダルトソフトの実力をマジメに検証する(2012年版)
作品は続いて、少しずつハードな方向へ進んでいく。二人が生クリームを付けあってじゃれ合うシーンでは、二人の体が接触しているのだが、その際の体の奥行きの前後関係が非常に的確に表現され、3D映像ならではの表現力に圧倒させられる。
そこからのシーンは、ちょっと内容を紹介するのも憚られる感じになっていくが、3Dのクオリティは落ちない。決して書き割りのような3Dではなく、体の丸みを、非常に自然な3D映像として描き出すクオリティは見事の一言。手を差し伸べたら触れそうな臨場感、二人が目の前にいるかのような現実感は、2年前の作品ではまったく感じられなかったもので、長足の進歩を遂げたと言ってよいだろう。
今回ここまで高いクオリティの3D映像を体感できたのは、もちろんHMZ-T2の力も大きい。クロストークフリーの3Dは、作品のクオリティをそのまま引き出してくれる。また周囲の映像から遮断されるので、没入感をさらに高めることに、一役も二役も買ってくれている。
HMZ-T2の音のよさも、映像世界へ入り込むための格好の導入路となった印象だ。今回は付属イヤホンで視聴したが、様々な効果音を高解像度に描き出し、臨場感を高めてくれる。衣擦れの音や様々な接触音が非常にリアルに表現され、映像とあいまって興奮度がさらに高まる可能性を感じた。
今回の取材では、あちら側のAV(アダルトビデオ)とこちら側のAV(オーディオビジュアル)のフュージョンというべきか、新たなポテンシャルが感じられた。3Dアダルトソフトとその再生環境が、この2年で大きく進化したことが実感できたのだ。
フレームパッキングのアダルト3Dソフトと、ヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T2」はまさに黄金の組み合わせだ。作品世界へ本当に入り込んだような、リアルとバーチャルの垣根があいまいになったような、高い没入感が味わえる。さて、ではこの2つの組み合わせに弱点は無いのだろうか。次ページで考えてみよう。