[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第36回】電源無しで音質向上ってホント? 中村製作所「AClear Porta」をガッツリ試す
■「NIP-01 AClear Porta」の実力徹底検証!− 透明感と情報量が増した
ノイズ成分=音を濁らせる要素が減少するおかげなのか、個々の音色も音場全体も透明感と情報量を増す。
個々で言えば例えば特にシンバルの音色は澄んで、音の粒子感もより豊かに感じられるようになる。女性ボーカルは倍音成分がほぐれて、耳に刺さる感じが少し和らぐ。
全体で言えば音場に漂う微かなざわつきが抑えられて、背景がすっと静かになる印象だ。「落ち着きが生まれる」という言い方が適当だろうか。そして背景の落ち着きが個々の音色をより際立たせてもいる。
悪影響としての副作用は特には感じられない。場合によってはその「落ち着き」っぷりに物足りなさを感じるかもしれないが、そこは各人の好みの問題だ。
というわけで好感触!
ただし本機に期待するべきではない要素もある。それはイヤホンやヘッドホンに対する駆動力等の強化だ。本機はアンプではないのでそういう力は持たない。実際、ベースの厚みが増したとかスタッカートのキレが良くなったとか、そういう印象は受けなかった。
…ってことは、じゃあポタアンも一緒に使ったらさらにおいしいんじゃない?
■さらに検証! ポタアンとの併用で効果は生まれるか?
ポタアンとは別物である本機。ポタアンとは別物だからこそポタアンとの共存もできるのではないか。つまり同時利用だ。ポタアンの数珠繋ぎには何の有用さもないが、本機とポタアンの数珠繋ぎは効果がありそうな予感。装備がかさばる&バッテリー問題復活という難点があるので実用性には欠けるが、ちょっとした実験としてやってみよう。
この場合の接続順は2パターン考えられる。
・プレーヤー→ポタアン→NIP-01
・プレーヤー→NIP-01→ポタアン
…だ。順に試してみよう。
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