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USB-DAC機能まで徹底レポート

【レビュー】“Astell&Kern”新ハイレゾDAP「AK120」の実力を全方位検証

公開日 2013/06/10 12:42 岩井喬
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ハイエンドイヤホンAKG「K3003」でAK120を試す

続いてはインイヤーモデルの高級機AKG「K3003」(インピーダンスはAK120で“ロー出しハイ受け”となる8Ω)を接続しての試聴である。太くリッチなベースとハリ良く上品な艶を浮かべるボーカルをはじめ、倍音の煌めき感と鮮度の高さ、透明感のバランスが上手にミックスされたサウンド傾向だ。『惑星』の管弦楽器は繊細なタッチで描かれ、ハーモニーは艶ハリ良く潤いに満ちた響きとなる。ティンパニーは制動良く皮のアタック感も鮮やか。解像感高く、広がりや奥行き感も十分感じとれた。

続いてはAKG「K3003」で試聴

オスカー・ピーターソン・トリオにおいてはピアノの澄んだアタックとキレ良く鮮やかに立ち上がるスムーズな指運びに耳を奪われる。ウッドベースは胴鳴りをふっくらとした弾力で描き、弦のハリを鮮明に際立たせるため程よい引き締めに繋がっている。『メニケッティ』のエレキのピッキングは粒が細かく、プレイの奥で空間を埋めているリヴァーブの広がり感もすっきりと見通せる。リズム隊は引き締まり、スネアのアタックもスムーズに感じられた。ボーカルのボトムをほんのり厚く表現し、口元はシャープなエッジを描く。

春奈るな『Overfly』(CDリッピング:44.1kHz/16bit・FLAC)ではボーカルの中域成分が豊かに張り出し口元のエッジもくっきりとウェット&クールに浮かび上がる。質感は滑らかかつスムーズで分離良く、リズム隊の膨らみもバランス良い。ギターやストリングスは厚みのある音像で解像感高くメリハリの利いた旋律を聴かせてくれた。

続いてハイレゾ音源であるが、『Pure2』においてはややホーンセクションがハイ上がりの傾向となるものの、ウッドベースやキックは引き締まり、弦のたわみ感やアタックの粒も揃う。音場の情報量もしっかりと聞き取れ、定位や前後感も自然に感じられた。アンビエンスは華やいだ響きとなるが、シンバルの余韻は清々しく拡散してくれる。ボーカルはボディを引き締め、鮮やかな口元をキリっとハリ良く描写している。

『音展2009』ではギターやウッドベースのボディのきしみや弦の爪弾きのニュアンスを細やかに拾い上げてくれた。ボーカルの揺れ動くさまも自然で、弦の太さや倍音の艶もバランス良くまとまっている。『初恋組曲』のカルテットは鮮やかで余韻は瑞々しい。弦のタッチは繊細で厚みもリアル。ローエンドまでしっかりと響いており、そのハーモニーはリッチでゴージャス感が漂う。エイジアではくっきり切り取ったようにエッジをリアルに描写するボーカルをはじめ、クリアでヌケ良いシンセや旋律を滑らかかつきめ細やかに描くギターの際立ちが一つ一つ鮮明に定位。リヴァーブの広がりも豊かで、余韻の細やかな消え際まで聴きとれる。理想的な解像感、透明度の高さが味わえた。

96kHz/24bit対応USB-DAC機能を徹底的に試す

さて、ここまでの試聴においてはファームウェア・バージョン1.00の個体を用いていたが、発売時にはUSB-DAC機能も実装されるというアナウンスがあったため、急きょUSB-DAC機能に対応したファームウェア・バージョン1.11の個体を用意し、AK120をUSB-DACとして使ったときのサウンドについても確認してみた。

発売時に搭載予定の最新ファームウェアを搭載したモデルでUSB-DAC機能をチェック

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