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USB-DAC機能まで徹底レポート

【レビュー】“Astell&Kern”新ハイレゾDAP「AK120」の実力を全方位検証

公開日 2013/06/10 12:42 岩井喬
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USBケーブルをPCへ接続すると“充電&再生”、“充電&データ”というそれまでのバージョン1.00でも確認できたメニューに加え“USB DACに接続します”という項目が新たに表示されている。こちらを選択するとUSB-DACモードとなるが、ディスプレイには“USB DACに接続しました”というシンプルな表示だけとなる。ボリュームについてはプレーヤー時と同じように操作できるが、ノブの操作時だけボリュームレベルが表示される(ステップ値はプレーヤー時と同じ)。今回はMacBook Pro(OS X10.6.8、SSD換装)と接続し、プレーヤーソフトはAudirvana Plus(インテジャーモード)を用いた。

USB接続するとこの画面が表れる

USB-DAC接続後はこのシンプルな画面に

まずはヘッドホン環境としてAH-D5000を繋いでUSB-DACからのサウンドを確認してみる。基本的な音質傾向としては同一音源をプレーヤーで再生したときよりも音の輪郭が引き締まり、低域もタイトで凝縮した密度感を得られた。『惑星』はハリ良く瑞々しいハーモニーが爽快に浮かび、スムーズできめ細やかな旋律のタッチが解像感良く耳に届く。

ボリュームノブを操作したときのみディスプレイに音量が表示される

オスカー・ピーターソン・トリオのピアノは硬めのタッチで、ハーモニクスは階調細やかだ。スネアブラシも鮮やかに引き立ち、ウッドベースも胴鳴りを引き締め、指の動きをキレ良くトレース。『メニケッティ』においてはリズム隊のドライでタイトなアタック感が増し、輪郭がよりはっきりとしてくる。ギターのピッキングは渋みのある歪み感を伴って耳当たり良い厚みを生む。各パートは分離良くシンバルやスネアのアタックもクリアに感じられる。ボーカルの質感は滑らかで明瞭度も十分だ。

『音展2009』(前述のファイルを96kHz/24bitへダウンコンバート)では鮮明な弦の際立ちと伸び良くクリアなボーカルの動きが良く見えてくる。ウッドベースは弾力良い響きとなり、ギターはヌケ良く切り抜いたように定位。音場はやや平面的だが解像感は高い。ビリー・ジョエルのピアノはクリアでブライトな輝きが強まる。定位はシャープでボーカルのハリも強く若々しい。ベースは制動高く引き締め、S/Nの良い空間を演出している。プレーヤーでの再生では本来のアナログ録音ならではの低音の深みや広がりが得られたが、USB-DAC接続では芯を強く押し出す、現代的デジタルリマスターといったサウンドに変化する。

次ページおまけ:スピーカー環境でのUSB-DAC機能も試した

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