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高域まで滑らかな音色

MSB Technology「Analog DAC」レビュー − 最新技術でアナログライクな音を実現

公開日 2013/08/27 10:00 山之内 正
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滑らかな曲線を描くアルミ削り出しシャーシがクラスレスの高級感を見せるAnalog DACは、外見とは裏腹に同社のDAコンバーターのなかでは最もベーシックなグレードに位置する製品だ。同社はDACのハイサンプリング対応を他社に先駆けて進めてきた経緯があり、その姿勢はいまも変わることがない。本機も最大384kHzのPCMと5.6MHzのDSD音源をサポートする最先端の仕様を実現しており、入力機能をモジュール構成とすることで自在なアップグレード対応を果たしている点も注目に値する。上級機ではクロックまで変更できる製品も存在するが、本機はそこまでの対応は見送り、その代わりに価格を抑えている。

Analog DACの背面端子部。デジタル入力は、モジュラー方式となっており、[RCA&Toslink][AES/EBU][MSB PRO I2S(32bit)][USB2.0]のうち3系統を選択して装着が可能で、3系統の内1系統は標準価格に含まれている。アナログ出力はバランスとアンバランスの2系統を装備する

写真はAnalog DAC+Desktop Power Supply。この場合の価格は¥903,000(ボリュームなし)、¥1,034,250(ボリュームつき)となる


Analog DACのデジタル信号処理には、超高速80bit演算能力のSharc DSPを配備。このDSPによって入力デジタル信号は384kHz32bitのアップサンプリング処理と、MSB独自の32倍32bit精度のシングルステージ構成によるアドバンスド・オーバーサンプリング・デジタルフィルタリングが行われる
DACはラダー型マルチビット方式の独自モジュールを2基搭載。80bit動作の高速DSPと組み合わせることによってアップサンプリング処理などを高精度にこなす。独自のI2Sインターフェースは同社製トランスポート接続時に本機からマスタークロックを伝送し、ジッター低減に大きく貢献する。

本機のマスタークロックは上位機種同様フェムトセカンド・クロック技術を採用し、ジッター低減に強いこだわりを見せる。インタビューで社長のガルマン氏がデジタル固有の「ハーシュネス」が許容しがたい歪みであることを強調しているが、ジッター低減はその歪みを抑え、滑らかな再生音を実現するうえで大きな役割を果たすのだ。

なお、専用I2Sインターフェース「MSB PRO I2S」はLANケーブルで伝送を行うため、接続はいたってシンプルだ。

●本機の音に触れる
CDでは膨大な情報を忠実に再現。まさに滑らかな音色を実感できた


トランスポートに同ブランドのシグネチャーData CD Wをつなぎ、I2S伝送でCDを聴く。

次ページ高域まで非常に滑らか、不自然さが全く無い

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