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<山本敦のAV進化論>第14回

アニメ見放題「アニメパス」などau新サービスのねらいを担当者に訊く

公開日 2014/06/25 11:30 山本 敦
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「当社がビデオパスをはじめとするVODを提供している最大の理由は、ネットワークが高速化・安定化してきた現状で、より高いレベルのサービスをご提供したいと考えているからです。auでは4G LTEサービスを大々的に打ち出した際に、ユーザーの皆様に定額で安定したネットワークを楽しんでいただきたいという考えから、“3M戦略”(Multi-Network/Multi-Use/Multi-Device)というものを発表しました。スマートパスに関しては、単純なネットワークの上位レイヤーサービスとしてではなく、ネットワークとより密接に連動した、キャリアならではのサービスを充実させていきたいという思いがあります。だからLTEエリアの拡大やWi-Fiオフロードの展開も含めて、ユーザーの皆様により使いやすいネットワークプラットフォームを整備しながら、リッチな体験をご提供していくことが大事と考えています」(島氏)

インタビューに答える島氏

LTEサービスが便利に利用できるようになってくると、どうしてもWi-Fiにつなぐ機会が少なくなりがちだ。4G LTEサービスからWi-Fiへオフロードしていく効果についてもユーザーに訴求していく必要があると島氏は訴える。「コンテンツの高速ダウンロードにはWi-Fiをおすすめしたり、Wi-Fiがもっと使いやすい環境を用意してユーザーに効果を説明していくことも大切と考えています。例えば動画コンテンツはWi-Fi経由で視聴すれば、より高画質で見られることなどもアピールしています」

現在、ビデオパスの配信画質については、3G/LTE/Wi-Fiでそれぞれ異なっている。3Gでは240P、LTEは360P、Wi-Fiは480Pとなり、Wi-Fiの場合は一部コンテンツが720PのHD対応も始めているので、大画面タブレットでもより高画質な映像が視聴できる。Smart TV BoxやSmart TV Stick向けにはHD画質のコンテンツも多く揃える。配信ビットレートは公開されていない。

「画質を高めるというよりも、ユーザーのデバイスに合わせて一番快適に動画が見られるように調整しています。昨今ではダウンロードだけでなく、ストリーミングでも快適に動画が再生できるようになり、ちょっとした空き時間に動画を見ようというユーザーも増えてきました。見たい動画が簡単に見つけられるUIも大事な要素になってくると考えています。ホーム画面からコンテンツの視聴まで、スムーズで快適な導線が構築することに注力しています。レンタルショップで気ままに作品を選ぶような感覚で、気軽に動画を見たくなってしまうようなサービスというのが私たちの提案するかたちです」(島氏)

ネットワークスピードとの関連性における視聴体験については、LTEサービスが導入された頃からユーザーの反応が大きく変わってきたという。フィーチャーフォンによる動画配信はブレイクしきれないかったが、今では視聴環境についての不満の声はとても少なくなったと繁田氏は語る。

「スマートフォンの大画面がVOD視聴に適しているうえ、イヤホン出力がステレオミニジャックになったことが大きいと感じています。フィーチャーフォンでは平型端子のイヤホン、または変換アクセサリーが必要だったので、何となくインターネットにアクセスしながら動画を楽しみたいという使い方が難しかったのだと思います。今ではiPodやWalkmanで使っていたイヤホンがそのままスマートフォンにも流用ができて、かつネットワークが高速で安定しているということの便利さを多くの方々が実感されているのだと思います」

島氏はこう説明をつなげる。「動画が途切れるといったようなネットワークレイヤーでの要望よりも、コンテンツやアプリの使い勝手に対する声や要望が増えています。お客様の声としても“サービスの見え方”に評価の視点が移ってきているように感じています」


■“高画質化”と“キャリアフリー化”はどう考えている?

とはいえ、スマートフォンの画面がフルHDになり、タブレットではフルHDを超える高画素ディスプレイの製品が登場してきた。動画配信についても、よりいっそうの高画質化が求められるようになれば、ネットワークスピードの向上や、圧縮技術などを使った高画質化へのさらなる取り組みが求められるようになってくるのではないだろうか。この質問に対しては、島氏はこう答える。

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