<山本敦のAV進化論>第14回
アニメ見放題「アニメパス」などau新サービスのねらいを担当者に訊く
ビデオパスのラインナップに含まれるアニメ作品との棲み分けについては島氏が説明する。「アニメパスでは、よりニッチな作品に特化していきます。一方のビデオパスでは、お子様と一緒に家族で楽しめるような作品が揃っています。両方のチャンネルに提供される作品もあることでしょう。それぞれのサービスごとにメインユーザーを想定しながらリッチな作品を追加していきたいと考えています」
前述のように、アニメパスでは雑誌「ニュータイプ」とコラボレーションしながら、作品紹介の「情報」タグを選べばで雑誌の記事が読めて、より深い作品情報を知ることができる。近い将来にはユーザーをリアルのイベントに招待する企画も検討されているという。現在はソーシャルサービスとの連携は設けられていないが、今後は視聴した作品の感想をファンどうしで共有しながらつながれるプラットフォームが用意されたら、サービスの魅力がさらに高まるだろう。
■ディズニーコンテンツ使い放題の「ディズニーパス」
ディズニーパスにもたんなる動画配信サービスに止まらないオリジナリティがある。
「ドコモ、ソフトバンクがディズニーモバイルという切り口から専用端末を展開しています。確かに素晴らしい端末なのですが、これを購入しなければディズニーの世界観が楽しめません。auでは、例えばiPhoneやAndroidの人気端末もディズニーの世界観にフルカスタマイズができるサービスをご提供できないかと考え、ディズニーパスをご提案します」(繁田氏)
7月の下旬からスタートを予定しているディズニーパスは、ディズニーのコンテンツが“使い放題”で楽しめるセットが月額372円(税抜)で利用できる。こちらにはディズニーミュージックやゲームのほか、ライブ壁紙や着せ替え用の壁紙、アラームやカレンダーなど豊富なコンテンツが揃う。「ディズニー・チャンネル」や「ディズニージュニア」で放送中のテレビ番組が楽しめる、スマートフォン向け動画アプリ「WATCHディズニー・チャンネル」「WATCHディズニージュニア」も9月以降には追加を予定している。
また“TORQUE”「SKT01」を除く2104年夏モデル以降の機種、およびiPhone 5s/5を対象にしたau限定のスマートフォンカバーとキャラクターコンテンツをセットにした“アクセサリーセット”もau+1 Collectionから別途発売される計画だ。アニメパスの考え方と同様、動画やゲーム、音楽といったフォーマットからではなく「ディズニー」というコンテンツのカテゴリーで切り取ったユーザー提案型のサービスだ。
「他社のアプローチとは違った新しいかたちのディズニーファンに向けたサービスです。より多くのディズニーファンに楽しんでいただけるものと自信を持っています」と繁田氏は胸を張りながらサービスの特長を強調する。
■auパスサービスどうしの連携も促進
パスサービスどうしの連携も進められていると繁田氏は説明する。例えば人気アイドルグループが参加するリアルイベントを開催し、そのイベント内でアイドルが“自分撮り”した写真を「ブックパス」限定オリジナル写真集として無料配信。もっとも人気が高かったアイドルはラジオ番組『オールナイトニッポン』の1日MCを担当できる権利を獲得する。その盛上げとしてニコニコ生放送と「うたパス」を連携させるなどといった、ファンを巻き込んだメディアミックス型の企画にも力をいれているという。