【特別企画】HDD内蔵ならではのメリットとは?
進化を続けるソニーのハイレゾオーディオプレーヤー「HAP-Z1ES」。その魅力を改めて検証する
■アプリで簡単操作、レスポンスも機敏
内蔵HDDに自動でデータベース化された音楽ファイルの情報を使って、フロントパネルの4.3インチ液晶にカバーアートや楽曲情報を表示するので、視覚的にも楽しい。本体だけでもかなりの操作が行え、ジョグダイヤルとボタンでメニューを辿りながら「ジャンル」「アルバム」「アーティスト」などのカテゴリーから聴きたい曲を簡単に探すことができる。
さらにiPhoneやiPadなどiOS機器や、Android端末に対応する楽曲管理・再生アプリ「HDD Audio Remote」も無料で提供されている。
一般的なネットワークオーディオプレーヤーの場合、ネットワーク上のNASにアクセスしながら、都度データのやり取りを行わなければならないため、アプリでのカバーアートの表示や操作自体のレスポンスが若干もたつくことがある。前述したように、Z1ESの場合、本体にコピーされたメタデータは、本体内にデータベース化されてからアプリ「HDD Audio Remote」と共有する。このためサクサクとした操作レスポンスを実現していることが特長だ。
楽曲を探す際のインターフェースも高速レスポンスで小気味良い。たとえば楽曲リストをフリック操作すると、カバーアートを表示しながら高速でスクロールでき、動作に引っかかりがない。iPadなどタブレットに最適化されたアプリでは、聴きたい楽曲を「ジャンル→アーティスト→アルバム→トラック」と4つの検索条件ごとにカラム分けされた画面を見ながら絞り込んで探せる「フルブラウザ」表示が便利だ。タブレットの大きな画面の利点を活かした機能と言えそうだ。
「フォルダ検索」では、ユーザーがPC上で管理しているフォルダ階層そのままの表示ができるので、その階層をしっかりと理解しているユーザーなら、より直感的に楽曲を見つけられるはずだ。
■楽曲情報の編集もアプリから自由自在
「HDD Audio Remote」は、単に楽曲再生操作を行うだけのアプリではない。このアプリを活用すれば、楽曲の情報を編集・修正したり、楽曲の関連情報をインターネット上で検索し、閲覧することもできるのだ。
FLACやDSDなどメタデータが存在する楽曲については、アルバムのカバーアートを後から差し替えたり、アーティスト名やジャンルなどのテキスト情報もアプリ上で編集できる。
Z1ESにコピーしたアーカイブ上の楽曲データは、音源のコピー元であるPCと独立して編集ができる。例えばあまり聴かなくなった楽曲を、曲/アルバム/フォルダ単位で削除するなどといった使い方ができるのだ。
アプリから利用できる「インフィニット」機能についても紹介しておこう。楽曲再生の画面に表示される「X」のようなかたちをした「インフィニット」アイコンをタップすると、再生されている楽曲の歌詞をGoogleで検索したり、Wikipediaでアーティスト情報を調べられる。YouTubeにアーティスト関連のミュージックビデオやカラオケビデオがUPされていれば、タブレットやスマホでそのまま再生できる。インターネットに接続されているモバイル端末のメリットを上手に活かした連携機能だ。
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