【特別企画】HDD内蔵ならではのメリットとは?
進化を続けるソニーのハイレゾオーディオプレーヤー「HAP-Z1ES」。その魅力を改めて検証する
■Z1ESの音質を支える「DSDマスタリングエンジン」とは
Z1ESがサポートするファイルフォーマットは多い。2.8MHz/5.6MHzのDSD(DSDIFF、DSF)、最大192kHz/24bitまでのWAV、AIFF、FLAC、ALACなどPCM系のハイレゾ音源と、これ以外にもMP3、WMA、AAC、ATRAC(DRMなし)などを幅広くサポートしている。
本体の内蔵HDDに保存された、様々なフォーマットの楽曲データを、5.6MHzのDSDに変換しながら再生する「DSDリマスタリングエンジン」は、Z1ESの音質に関する機能の中でも、際立って特長的なものだ。
DSD信号のDA変換方式として理想的と言われている「アナログFIRフィルター」を本体に搭載しており、左右独立で片チャンネルあたりに4個のフィルターユニットが設けられている。それぞれのユニットを1クロックディレイ差動合成動作させることで、DSD信号に含まれる高域ノイズを効果的に低減する。このフィルターの性能を最大限に活かしながら、DSDリマスタリングエンジンでノイズ低減を行い、同時にアナログ的な魅力を持つ音を再現するのがZ1ESの特長だ。
一方でPCM系の音源については、DSDに変換せずにそのまま聴きたいというユーザーの声を受け、2013年12月に実施されたアップデートで、DSDリマスタリングエンジンのON/OFFが選択できるようになった。
■ソフトウェアアップデートにより便利な機能を追加
Z1ESが他のハイレゾオーディオプレーヤーと大きく異なる点は、本機がソフトウェアのアップデートにより「進化し続けるオーディオプレーヤー」であるということだ。
2013年10月末の発売以来、同年12月には、先述したDSDリマスタリングエンジンのON/OFFが選択できるようになったほか、インターネットラジオ周りの機能を追加。また楽曲再生機能も向上させた。また2014年4月にはIPサイマルラジオサービス「radiko.jp」への対応や、本体保存楽曲の編集操作に機能追加が行われている。
そして、この7月には本体ソフトウェアと「HDD Audio Remote」アプリのバージョンアップが行われた。その内容を次ページで紹介しよう。
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