【特別企画】HDD内蔵ならではのメリットとは?
進化を続けるソニーのハイレゾオーディオプレーヤー「HAP-Z1ES」。その魅力を改めて検証する
7月に実施されたアップデート内容の一つは、本体またはアプリからの操作により、同じフォルダ内のアルバムを統合できるようになったことだ。例えば、ベスト盤など一つのフォルダで管理しているアルバムをZ1ESに転送コピーした際、Z1ES側のデータベースが、オリジナルの複数のアルバムとして分割してしまった場合にも、アルバム編集機能の「アルバムを統合」を使用して統合したいアルバムを選択し、ドラッグ&ドロップで統合先のアルバムに移動するだけと、とても簡単だ。
また、アルバムトラック順のソートにディスク番号が反映されるようになったので、例えば2枚組のアルバムを統合したあとで、曲順が「1/1/2/2/3/3…」と並んでしまう現象がこれで回避される。
ほかにも、今まではトラック単位でしか行えなかった楽曲情報の再取得が、アルバムやフォルダー単位でも行えるようになった。また、これはアプリ側のみの対応となるが、楽曲情報の編集がアルバム/トラック単位だけでなく、フォルダやファイル単位でも可能になった。
本体側のアップデートでは、インターネットラジオのPower on Resume機能が使えるようになった。電源OFF前に聴いていた局を、次回の電源投入後にインターネットラジオ機能を選択すると、すぐに呼び出せる。ほかにも細かなところでは、スリープタイマーの設定時間が10分単位で決められるようになった。
PC用アプリ「HAP Music Transfer」もアップデートした。Z1ESをネットワークに接続した際、アプリの画面上にコピー先のデバイスとしてZ1ESが表示されないことがある。これはOSのセキュリティ設定や、ウィルス対策ソフトがブロックしていることなどが主な原因なのだが、このような場合に、ネットワーク上にあるZ1ESのIPアドレスを直接打ち込み、接続することができるようになった。一見地味だが、導入時のトラブルを未然に防ぐ試みとして歓迎したい。
■ユーザーの声を反映しながら進化を続けるオーディオプレーヤー
ソニーのHAP-Z1ESは、ユーザーのニーズや要望をこまめに吸い上げながら、最も使いやすいハイレゾオーディオプレーヤーを目指して進化を続けてきた。今後もより簡単・便利に使えるよう、機能追加が行われていくはずだ。
繰り返しになるが、複雑なネットワーク設定を必要とせず、簡単な設定や操作で音楽を楽しめる「HDD内蔵」というアプローチを打ち出した点は特筆できる。また、機敏なレスポンスや豊富な機能を搭載した専用アプリも、ストレスフリーでハイレゾを楽しむという価値を多くのユーザーに提供する。特にこれからハイレゾを始めるエントリーユーザーにとって福音となるはずだ。長く付き合えるオーディオプレーヤーとしておすすめしたい。
(山本敦)