[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第95回】テレビ周りも絶対領域化!TEACのプリメイン「AI-301DA」自腹導入レポート
■高橋敦、TEAC「AI-301DA」で強化した絶対領域的テレビライフを語る!
さてAI-301DAを導入したシステムだが、接続も使い勝手も極めてシンプル。接続は、レコーダーとApple TVからテレビへHDMI出力。そのテレビからの光デジタル出力でアンプの光デジタル入力に入れてあるという流れ。すっきり配線ですべてのソースの音声をスピーカーシステムに放り込んである。
で、テレビの電源を入れるとそこからの光デジタル入力に反応してアンプの電源も入り、テレビの電源を消して無入力状態が数分続くとアンプは自動でスリープする。ここがすばらしく便利!
その「デジタル入力との電源連動機能」だが、これを動作させるにはAI-301DAの「オートパワーセーブ機能をオフ」にしておく必要があることには注意が必要。電源オンの状態で本体の電源ボタンを長押しすることでその機能をオンオフできる。オートパワーセーブがオンの場合とオフの場合では、
・オン→無入力無操作が約30分続くとスタンバイ状態に移行
デジタル入力に反応してのスタンバイ復帰はできない
スタンバイ時の消費電力は0.5W以下
・オフ→無入力無操作が約3分続くとスリープ状態に移行
デジタル入力に反応してスリープから自動復帰
スリープの時の消費電力は約1.2W
というように動作と消費電力にちがいがある。気になるのは消費電力だが、例えばいまどきのブルーレイレコーダーだと、
・瞬間起動モードの待機時消費電力20W
・通常スタンバイモードの待機時消費電力0.4W
といったような感じ。本機でオートパワーセーブをオフにしたときの約1.2Wという待機時消費電力は、テレビ周りの機器としては十分に許容範囲と僕は考える。
消費電力といえばそれに絡んでの発熱だが、夏を迎える現時点の印象では、室温が高い状態では本機もそれなりには熱くなる。ただこれは本機がファンレス設計、強制空冷ではなく自然空冷を採用しており、筐体全体が放熱器の役割を果たしているためだ。適度な発熱はその役割が無事に果たされていることを示している。自然な風通しが確保されている場所に設置してあれば問題ない。
なお本機のファンレス設計の実現には、B&O ICEpower社製のClass-Dアンプが大きく貢献している。パイオニアのハイエンドAVアンプ「SC-LX90」でも大きくフィーチャーされていたあれだ。80年代的な速弾きを披露してくれそうな名前のハイエンドオーディオブランドJeff RowlandもICEpowerを採用している。マルチチャンネルでも使いやすい低消費電力さと、ハイエンド製品にもふさわしい音質を兼ね備えたパワーデバイス/モジュールというわけだ。
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