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<山本敦のAV進化論 第25回>IFAで発表された最新モデルを聴く

日本未発表モデル速報レビュー:ゼンハイザーの定番イヤホン“CXシリーズ” 「CX 5.00/CX 3.00」

公開日 2014/09/17 11:42 山本敦
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■CX 5.00:明るく華やかな高域と広々とした音場再現

CX 5.00は今回発表されたCXシリーズ4機種の中で最上位モデルになる。右チャンネルのケーブルに3ボタンのマイク付リモコンが搭載されており、AndroidスマートフォンやiPhoneのリモコン操作と通話機能をサポートする。カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色。ホワイトのモデルはハウジングにラメ入りのカッパーのパーツを配置したツートンカラー。ブラックとともに、側面にはメタルテイストのパーツをあしらって高級感を持たせた。ヨーロッパでの販売予定価格は79ユーロ前後になりそうだ。

CX 5.00

キャリングケースとイヤーチップが付属する

再生周波数帯域は16Hz〜22kHz、インピーダンスは18Ω、音圧レベルは118dB。ケーブルは1.2mのY型で、プレーヤー側端子はL字型として、スマートフォンでゲームや動画を楽しむ時のホールド感を高めている。キャリングケースのほかにL/M/S/XSのイヤーチップが付属する。

イヤーチップのサイズはXS/S/M/L

イヤーチップの穴の中に仕切りが設けられているのは、イヤホンを耳の奥に入れた際にノズルが飛び出して耳を傷つけないための配慮

イヤーチップを外して表れるノズルはメタル製。先端の向きをやや傾けてフィット感を向上させるエルゴノミクスデザインとした。同時に遮音性を高めてリスニング感の向上にもつなげている。イヤーチップの穴の中心にスリットが設けられている理由は、ノズルがより耳の奥に届く長さになったため、万一本体を強く耳の奥に押し込んだ際に傷つけないよう考慮したデザインなのだという。なお、後から紹介するCX 3.00も同じ仕様になっている。

ノズルをやや傾けたエルゴノミクスデザインを採用

ノズルはメタル製としてフィット感と遮音性を向上させている

ケーブルは通常の丸型と平型のちょうど間を取ったような楕円形シェイプとして、丸型の強さに平型の絡みにくさの両方を“いいとこ取り”している。これもまたCX 3.00と仕様が共通するポイントのひとつだ。

ハウジングのトップに穴を設けて音のヌケを良くしている

CX 5.00には3ボタンのマイク付リモコンを採用する

リスニングは本機の一般的なユースケースを想定し、iPhone 5sに保存した音源をHF Playerで再生してチェックを行った。

プラグはL型

スマートフォンに装着した際にも、プラグ部分が本体からなるべく飛び出ないようサイズを調整している

ジャズのピアノトリオは高域の滑り出しがスムーズで、響き成分が豊富。鍵盤のタッチも硬すぎず、適度な柔らかさとしなやかさを再現する。ウッドベースの音色は抜けがよくシャープで、思いのほか太さはないが、強い芯と明瞭な輪郭が特徴だ。本体ハウジングのトップに音の抜け穴を設けて、低域のスピード感とクリアさを高める工夫も凝らされているようだ。

クラブ系のサウンドは低域が飽和することなく、ビートを鋭く打ち込んでくる。中域とのバランスやつながりもよく、輪郭を強調することなくディティールを引き出してくるところは本機の魅力と捉えて良さそうだ。ナチュラルな低域は全体のバランスを崩すことなく、中高域の輪郭をよりシャープに引き立たせるために一役買っている。

クラシックのオーケストラは広々としたステージ感を再現。金管楽器の明るく爽快なハイトーンが気持ち良くスカっと抜けていく。ストリングスは旋律の柔らかさと艶やかさが持ち味。解像感が高く、ソロの細やかな旋律も丁寧に描かれる。低域はボリューム感を欲張らず、中高域の音像をより鮮やかに描き出すためのサポート役をしっかりとこなしているという印象。フォルテッシモのパートでも楽器の音色が飽和することなく、立体的でスケールの大きな演奏を再現するパワーもある。

ロック・ポップスのボーカル曲は低域のリズムがビシッと小気味良く決まる。ボーカルのフォーカスも明瞭で、やや高域が強めに感じられるが、キツい印象ではなく、どちらかと言えば明るくゴージャスな印象を与える。アコースティック楽器が中心のポップスでは、ニュートラルな音色が楽器のリアリティを引き立たせる。ナチュラルな響きと芯の強さを持ったサウンドだ。ボーカルの声も色づけがなく、アーティストの声の魅力をそのまま伝えてくれる。

■CX 3.00:力強くエネルギーの詰まった中低域

CX 3.00は、CX 300と同じ位置づけにあたるスタンダードモデル。マイク付リモコンを搭載しない。カラーバリエーションはブラック、ホワイトにレッドの全3色。レッドのモデルはハウジングがブラックとレッドのツートンになっていて、ケーブルの色もレッドになる。CX300シリーズはハウジングがメタルカラーだが、CX3.00はハウジングの外側にゼンハイザーのブランドロゴを配したシルバーのパーツをあしらってワンポイントにしている。ヨーロッパでの販売価格は49ユーロ前後を見込む。

次ページ続いてCX 3.00の試聴レポートをお届け!

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