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【特別企画】折原一也が自宅の4Kレグザで実験

「4Kテレビは消費電力が高い」は誤解? 実測して分かった“消費電力の本当の読み方”

公開日 2014/12/26 10:13 折原一也
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この基準ではまず、1日のテレビの消費電力を「動画視聴時電力」を4.5時間、「待機時電力」を19.5時間、「EPG取得電力」(待機時間からマイナス)と分けて考える。そして「動画視聴時電力」では、測定用に定められた動画を10分視聴した上で、明るさセンサーなどの省エネ機能オンとオフの差分の数値を一律して軽減して算出している。これに「待機時電力」「EPG取得電力」を加算し、その結果を365倍したものが年間消費電力量となる。

こうして算出された「年間消費電力量」の数値は、常にフル稼働以外想定していない「消費電力」よりは比較的実環境に近いものの、それでもユーザーの利用実態にどれだけ近いのか疑問視する声もあった。特に「動画視聴時電力」の条件設定は、明るさセンサーの利用方法や、標準モード以外を想定していない点などに不完全なところもありそうだ。

それでは、テレビが実際にどれだけ電力を消費するのか知るためには、どうすれば良いのか? そこで筆者は、どんな環境下で何Wの電力を消費しているか、実際に測定してみようと思い立った。

筆者宅の4K REGZA 50Z10Xと照度計とワットチェッカーで検証

今回は、筆者が購入して自宅で使用している4K REGZAの50インチモデル「50Z10X」(2014年10月発売)とワットチェッカーを組み合わせて消費電力の実機計測を試みた。ちなみに同モデルのカタログスペック上の「消費電力」は394W、「年間消費電力量」は224kWh/年と、薄型テレビ全体として見れば消費電力の大きい部類に入る。

使用したワットチェッカーはamazonでも評価の高いサンワサプライの「700-TAP017」だ。また、外光の具合に応じて画面輝度も変化する「明るさセンサー」があるため、照度計も併用した。

■自宅テレビの消費電力をワットチェッカーで実測!

まず、筆者が日常的に使っている50Z10Xが、ふだんの設定でどれだけ電力を消費しているのか測定してみた。

50Z10Xの映像メニューは「おまかせ」で実消費電力を検証

日中、蛍光灯の点いたリビングにおいて、映像メニューは「おまかせ」で地デジの駅伝中継を観ながらチェックしたところ、消費電力は168W前後で概ね安定していた。また、ドラマ『マッサン』の夜間のシーンでは瞬間的に140Wまで落ち、ニュース番組では画面が明るいため186Wまで上がった。この時の照度計の値は144ルクスだ。

照明の付いたリビングは照度144ルクス程度

筆者宅のリビングでは消費電力168W

ちなみにレグザの映像メニュー「おまかせ」とは、「おまかせオートピクチャー」という自動画質調整モードのこと。部屋の明るさなどの室内環境や映像の種類をリアルタイムに解析して、画面の明るさや画質を自動でコントロールする。

実際の消費電力は映像の内容によって変動するので一概には言えないが、これらから判断すると、50Z10Xの実際の消費電力は、カタログ値である394Wの35%〜47%と考えるのが妥当なようだ。

次ページ暗い部屋と明るい部屋では消費電力がどれくらい異なるのか?

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