【特別企画】折原一也が自宅の4Kレグザで実験
「4Kテレビは消費電力が高い」は誤解? 実測して分かった“消費電力の本当の読み方”
■4Kテレビも十分エコが進んでいる
ここまでの実験で、50Z10Xが意外とエコなことはよく判ったので、最後にひとつ発想を変えて検証を続けてみよう。カタログスペックに表示されている「消費電力394W」という数値はどうすれば出せるのかという実験だ。
映像メニューを「あざやか」に変えてみると消費電力は一気に320Wを記録したが、これでも先ほど検証した日中の「おまかせ」の方が高い。さらに関連する画質項目を最大値まで上げ(バックライトは元々最大値の100)、ほぼ真っ白の画面を映し、音量を最大までアップしてみる。
そしてもちろん「タイムシフトマシン」もオンにしたのだが、意外にも数字上の消費電力に変化は出ない。さらに、CPUもフル稼働させるためUSB-HDD2台にダブル録画+HDD上の録画番組を再生。これらに加えてスマートTV機能なども起動してみても、322Wまでは簡単に届くが、そこから先は一向に記録が伸びない。数時間に渡る検証で記録した瞬間最大値で324Wだったので、カタログ値の394Wはよほどの“条件”が揃わないと出ない数値だろう。
以上、こうした検証の結果、筆者が自宅で利用している50Z10Xは映像視聴時の消費電力が90〜160W程度、1時間の電気料金にして2〜3円という、カタログ値とはずいぶん違う結論が得られた。高機能な4Kテレビといっても、消費電力はそこまで高くないという印象だ。
なお、カタログ値だけを見た場合でも、50Z10Xの電力消費量は2009年に発売された46型の2Kモデルを下回っている。この点、そして今回の検証結果から考えると、4Kテレビも十分エコが進んでいると言えるだろう。